ドライチの称号は毎年12人にしか与えられない。球団からの最大級の評価であり、選手にはこれ以上ない名誉だろう。
取材・文=にったあつし　写真=大賀章好

バットマンとしてのこだわりと負けん気

　自分の名前が読み上げられた瞬間、小田康一郎はにっこりとほほ笑んだ。会見の冒頭では1位指名を「素直にうれしかった」と振り返ったが、過去2年複数選手が1位指名を受けているため、先に中日から指名を受けた中西聖輝の隣で「3年連続ドラフト1位複数指名というのを今年は僕が破ってしまうのかと思っていたので、うれしいのは一番ですが、ホッとした気持ちが大きかった」と安どの表情を見せた。

　中京高時代は1年夏からレギュラーを獲得。2学年上に藤田健斗(阪神)、1学年上には元謙太(オリックス)といった先輩たちとともに、2019年の甲子園ではベスト4まで勝ち上がった。高校時代はピッチャーも兼任。最速148キロのストレートを武器に2年秋からはエースナンバーを背負うも、2度目の甲子園には届かなかった。

「1年生のときに甲子園に出させていただいて、いい思いをさせていただきましたけど・・・