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2025日本シリーズ総決算 鷹の載冠

ソフトバンクが5年ぶり12度目の日本一「今年こそは頂上まで登り切るという思いだったので、本当にうれしいです」(小久保裕紀監督)

 

ソフトバンク阪神が激突した2025年の日本シリーズ。地元・福岡での初戦を落としたソフトバンクだったが、第2戦から一気の4連勝で頂点へと駆け上がった。昨年のDeNAとの日本シリーズでは2連勝から4連敗。1年のときを経て、華麗なるリベンジを果たした。
本誌取材班=椎屋博幸、壁井裕貴
写真=毛受亮介、高原由佳、湯浅芳昭、川口洋邦、牛島寿人、宮原和也、兼村竜介


甲子園の夜空に舞った小久保監督。9度の胴上げで至福の瞬間を味わった


 幾度となく試練を乗り越え、そのたびに強くなってきた。ソフトバンクホークスとなって20周年の節目に、5年ぶり12度目の日本一に輝いた。歓喜の祝勝会でマイクを握ったのは、選手会長の周東佑京だった。

「(小久保裕紀監督が)登ろうと言っていた3つの山を、ついに登り切りました。今日は飲んで、騒ぎましょう!」

 その“3つの山”とは、リーグ優勝、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ突破、そして日本シリーズ制覇。昨季は貯金42を積み上げながら、日本シリーズでは2連勝のあとにまさかの4連敗──最後の山を登り切れなかった悔しさを胸に、チームは新しいシーズンへと歩き出した。しかし今季の幕開けは厳しかった。地元での開幕カードで3連敗を喫し、4月には12年ぶりの単独最下位に転落。主力の離脱も相次ぎ、順風満帆とは程遠いスタートだった。

ベンチからマウンドへ飛び出していく選手たち。待ちに待った瞬間


日本一を勝ち取ってマウンドへ駆け寄り、全員で喜びを分かち合った


 転機は6月。交流戦では12勝5敗1分けと圧倒的な成績を残し、歴代最多となる9度目の優勝を達成。勢いそのままに、7月29日からの日本ハム戦(エスコンF)で首位攻防3連戦を2勝1敗で制して初の単独首位に浮上する。その座を最後まで譲らず、9月27日の西武戦(ベルーナ)で2年連続のリーグ優勝を決め、まずは最初の山を越えた。

 続くCSファイナルステージの日本ハム戦(みずほPayPay)では、アドバンテージを含む3連勝で王手をかけながら3連敗。崖っぷちで迎えた第6戦、初戦に先発したL.モイネロが中4日で再登板し、2対1の僅差を守り抜いて2つ目の山も、ぎりぎりのところで突破を決めた。

胴上げ投手は松本裕樹[写真中央]。落ち着いたマウンドさばきで最後を締めた


日本一への勝ち越し弾は野村勇[右]。延長11回表に飛び出した。左は川瀬晃


 そして迎えた最後の山・日本シリーズ。精神的支柱の中村晃が腰の故障で離脱する中、初戦を落としながらも、そこから4連勝をマークする。第2戦を除けば、すべてが1点差の死闘だった。

外野陣でコーチを交えて記念撮影。前列写真中央は選手会長の周東


前身の南海、ダイエー時代を含め、12度目の日本一。新たなホークス時代を築きつつある


「喜びも倍くらいのものを感じたと思いますし、昨年ここで敗れた喪失感というものは1年間持ち続けていたので。日本シリーズに出たときには、今年こそは頂上まで登り切るという思いだったので、本当にうれしいです」

 日本一の喜びをかみしめた小久保監督は、続けてこう振り返った。

「今季を振り返ってみると、いろいろあったなと思いますね。最後の最後でやっと近藤(近藤健介)も日本シリーズに間に合って、『全員そろうか』と思ったら中村晃が腰を悪くするというね……。結局、今年はそういう年だったのかなと思いますけど、これだけ選手がそろわない中でも、たくましく成長してきた代わりの選手たちが、やってくれた」

戦い終えた両指揮官が最後に健闘をたたえ合った


 数え切れない逆境を乗り越えて、チームは昨季到達できなかった頂に立った。歓喜の声が消えたあとも、選手や監督の胸の中では、苦難をともにした季節の記憶が残っていた。

優勝会見に臨む左から周東、小久保監督、山川穂高


全員がお待ちかねのシャンパンファイト! 歓喜爆発!

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