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注目ドラフト候補インタビュー

川満寛弥[九共大]

 

“あららがま”の心で

10月25日に行われる2012年のドラフト会議開催まで1カ月を切り、今年も逸材選手の動向に注目が集まっている。
そこで「運命の日」を前に、プロ注目のプレーヤーの“生の声”をお届けする。
先陣を飾るのは、福岡六大学リーグに所属する九州共立大の左腕エース・川満寛弥
沖縄・宮古島出身の最速143キロサウスポーは、天性の才能を福岡の地で磨き、プロの扉を開こうとしていている逸材だ。
取材・構成=新ヶ江周二郎 写真=筒井剛史、BBM

――ドラフト会議まで1カ月を切りました。大学NO.1サウスポーとの呼び声も高いですが、現在の心境はいかがですか。

川満 こうやって取材を受けたり、周りから声を掛けられることで注目されていることを感じますが、正直本当に指名されるんだろうかという不安があります。ただ、まだ(秋季)リーグ戦もありますし、その先には神宮大会もあるので、プロ志望届を出して、それからはいつもどおり過ごして当日を待ちたいですね。

――186センチの長身でしなやかな腕の振り、そこから投じる最速143キロの直球は「球速以上に感じる」と、対戦した打者は口をそろえます。

川満 球が特別速いわけではないので、意識しているのはボールのキレです。杉内さん(俊哉、巨人)や、成瀬さん(善久、千葉ロッテ)のように真っすぐで空振りを取れるピッチャーになりたい。そこに100キロ前後のカーブで緩急をつけていくことを意識しています。

――8月11日に行われた阪神二軍とのプロアマ交流戦(鳴尾浜)では、先発して4回を2失点。3者連続を含む5三振を奪いました。

川満 二軍の選手といっても、簡単には空振りしてくれないし、際どいボールには手を出さない。あらためてプロのレベルの高さを感じましたし、一軍クラスになったらどうなるんだろうと思いましたね。そこでしっかり空振りが取ることができるようにならないと、プロでは通用しないと感じました。

――投球フォームには杉内投手を思わせるような「脱力感」を感じます。

川満 杉内さんも意識していますが、一番イメージしているのは元中日の今中さん(慎二、現投手コーチ)なんです。もちろん、実際に投げている姿は見たことないんですが、小さいころにゲームで使ってみたらすごかった(笑)。大学生になってインターネットなどで当時の映像を見て、腕の振りなどを参考にしています。あれだけ力強い腕の振りで、あのカーブを投げられるのはすごいです。

▲昨夏の大学日本代表候補合宿では、同級生の亜大・東浜[写真右から5人目]、東洋大・藤岡[同4人目、現千葉ロッテ]ら錚々たるメンバーと汗を流し、刺激を受けた[川満は左から2人目]



高校時代は“バッピ”のみ

――沖縄・宮古島出身の川満投手ですが、同郷の亜大・東浜巨投手(4年・沖縄尚学高)も今秋のドラフト候補として注目されています。やはり、意識する部分はありますか。

川満 自分と同じ大学生は気になるのでチェックします。その中でも東浜は一番気になりますね。高校時代からスターでしたし、大学でも1年生のころから結果を残している。大学日本代表候補の合宿で初めて会ったときは、沖縄の方言で話しかけられて驚きました(笑)。まだまだ同じ“土俵”ではないですが、いつかは対戦して投げ勝ちたいです。

――宮古島は、オリックスが1993年から春季キャンプを行ってきた場所としてプロ野球ファンに知られていますね。

川満 小さいころから野球教室が行われていたので、毎年参加していました。イチローさん(現ヤンキース)もいましたが、僕は大島さん(公一、現二軍打撃コーチ)に教えてもらったことを覚えています。

――やはり多くの子どもたちが野球をプレーしているのですか。

川満 そうですね。小学校だと10チーム以上はあります。みんな顔見知りで、中学校では軟式野球部に入りました。宮古島には4つの高校があって、甲子園を目指すなら宮古高なんですが、僕は「楽しくやれればいいかな」と翔南高(08年4月に宮古農林高と合併し宮古総合実高)へ進学したんです。3年間ピッチャーらしい練習なんてしたことなくて、やるとしたらバッピ(打撃投手)ぐらい(笑)。3年の夏も1回戦で当時1年の島袋(洋奨、現中大)がいた興南高にコールド負け(0対11)して、野球は高校でやめるつもりでした・・・

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