信頼に応える一打 2012年プロ野球ドラフト会議は今月25日に開催される。 そこで上位指名も期待されるのが“戦国東都”で今春に首位打者に輝いた駒大・白崎浩之だ。 長打も期待できる力強い打撃で安打を量産し、俊足も光る逸材。 昨夏の大学日本代表候補にも選ばれた右の大型内野手が、“運命の日”を目前に控えた現在の心境を語った。 取材・構成=佐野知香 写真=高塩隆、BBM ――9月26日にプロ志望届を提出されましたが、いよいよ今月の25日にドラフト会議が開催されますね。
白崎 意識しないように、と思っている時点で意識しているんですが(笑)、今は自分ができることに集中しようと思っています。
――長打力を高く評価され、右の大型内野手としてドラフト1位候補にも名前が挙がっています。
白崎 いい角度で当たれば本塁打も狙えますが、僕としては長距離打者という意識はあまりないです。それよりも、まずは塁に出ること、シュアなバッティングをアピールしたいと思っています。ただ結果的に、それが長打になったらなお良しです。
――プロ野球選手を目指し始めたのはいつごろですか。
白崎 小学1年で野球を始めたころからですね。僕は北海道出身なのですが、中学生のころに
日本ハムが本拠地を移転してきて、プロ野球は身近なものとしてありました。
――高校では、北海道から埼玉県の埼玉栄高に進学しました。
白崎 岩見沢シニアに埼玉栄高の方と知り合いの方がいて、誘われたんです。プロを目指すには内地(本州)でやっていた方が注目されるし、スカウトの方にも見てもらいやすいと思ったので進学を決めました。
――ただ、高校ではプロ志望届を提出しませんでしたね。
白崎 甲子園に出られなかったし、自分も結果を残せなかったので、東都という強いリーグで自分を磨ければと思い駒大に進みました。
寝る前の米3合が首位打者の秘訣 ――駒大では二部からのスタートでしたが、白崎選手がレギュラーに定着した2年(10年)の春に2位、秋に優勝し一部昇格を果たしました。
白崎 昇格決定の一戦は本当にうれしくて、忘れられない試合です。ただ、岡さん(将吾・現JFE西日本)などすごい先輩がたくさんいて、僕はついていくだけというか、自分がしっかりやれていればいいやという部分は多少ありましたね。
―― 一部では打率2割台前半と苦しみますが、今年の春に打率.395をマークし見事首位打者に輝きます。好調のきっかけはありましたか。
白崎 3年の春秋シーズンはずっと打てなくて、それでも四番でずっと使ってもらっていたことが申し訳なくて、悔しくて歯がゆかったんです。やっぱり四番を任されているからには打てなければと思い、冬の間にバッティングの強化と体作りに取り組みました。
――トレーニングの具体的な内容は。
白崎 素振りを1日700スイングと、体を大きくするためにとにかく米を食べました。自室に3合炊ける炊飯器があるので、祖母が送ってくれた海産物などをおかずにしながら、毎晩寝る前にそれを空にしていました。それで体重が5キロ増えましたね。
――体が大きくなったメリットは。
白崎 やはり下半身に筋肉がついたことでスイングに力強さが出たと感じました。また春からバットを
阪神の
新井貴浩さんモデルの重いものに変えたのですが・・・
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