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1月24日、一足早く全国各地に春の便りが届いた。
第86回選抜高校野球大会の選考委員会が大阪市内で行われ、出場32校が決まった。
今大会の注目度No.1は名門・池田(徳島)の復活出場だ。
27年ぶりの吉報が届いた三好市池田町。
「IKEDA」の育ての親である故・蔦文也元監督も天国からこの瞬間を待っていたのだった。

取材・文=高田博史
写真=松村真行

 胸に力強く『IKEDA』と書かれた伝統のユニフォームが帰って来る。甲子園出場は92年夏以来22年ぶり。センバツ出場は27年ぶりだ。池田町で暮らす誰もが、そして全国の池田高校ファンが待ちに待った甲子園への出場切符が、やっと届いた。『池田、復活への道』は79年春の準優勝メンバーである岡田康志監督が2度目の監督就任を果たしたころ(10年4月)から徐々に始まっていた。

 2年前の4月、地元企業の協力により『ヤマト寮』が完成。県内全域からの生徒受け入れが可能になった。寮生たちの食事を学校近くの食事処『どん』が支え、公衆浴場『池田温泉』もバックアップした。「池高を再び甲子園へ」と願う地域の思いがついに結実したのだ。センバツ出場決定の当日も、地元企業から野球部にピッチングマシンが贈呈されている。

 岡田監督が言う。「『甲子園に出場できるように』と、すごい声援や支援をしていただいた。いろんな思いが重なって今回の結果に結び付いたんだと思っています」

 数々の栄光を築き上げてきたOBたちからも、喜びの声が届いている。

 82年夏、83年春連覇の立役者の1人、水野雄仁氏(元巨人)は「甲子園は一戦一戦成長できる場所『やまびこ』に期待するファンも多いと思いますが、自分たちのチームカラーを出して戦ってほしい」と語った。

 歓喜に沸く生徒たちの姿を直に見守ったOBたちも少なくない。74年春『さわやかイレブン』の1人、伊丹好光さんは「これから忙しくなるだろうねえ! 今から本格的な準備ですよ!」と喜びの表情を見せた。

 79年春準優勝時の一塁手、岡本聡さんは岡田監督と同期に当たる。

「岡田が監督として甲子園に行ってくれることが非常にうれしい。僕らだけでなく上も下も一枚岩になって今回のチームを応援していきます!」

 報道陣に囲まれた岡田監督に「蔦監督はいまごろ、何と言っておられるでしょうね」と質問が飛んだ・・・

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