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12球団キャンプ通信簿/パ・リーグ

各チームの仕上がりは?

 

東北楽天ゴールデンイーグルス
昨季順位 1位[82勝59敗3分/勝率.582]

[80点]
○野手陣は順調な仕上がり
X埋まらないエースの穴

投手陣の再整備が開幕までの最重要課題

 日本一連覇を目指す上で最大のテーマとなるのが、田中将大の抜けた穴をどう埋めるか。各投手がどれだけレベルアップできるかが首脳陣の期待するところだった。そんな中でルーキーの松井裕、2年目の森が先発ローテ入りへ奮起。さらに復活に懸ける塩見、辛島ら若い力も懸命なアピールを続けてきた。

 しかし、星野監督は久米島キャンプ終了後の総括で「投手陣は8割方合格とは言えない。物足りない」と厳しい評価を下した。24勝無敗のエースが残した数字をカバーできるだけのものが現状では得られなかったと、さらなる奮起を促した。

 その一方で野手陣は順調な仕上がりを見せている。銀次、岡島、枡田らは紅白戦でも連日安打を量産し、主軸を担うA.ジョーンズも序盤から積極的に試合に出場するなど早めの調整で頼もしさを見せている。さらに新加入のユーキリスもさすがの風格でフリー打撃から快音を連発。ほかにも榎本や西田などの若手の台頭も目立ち、新スター誕生の予感も漂っている。

[キャンプMVP] 松井裕樹[投手]


先発ローテ入りへ前進!

 高卒ルーキーながら一軍キャンプを乗り切り、「8割方合格点とは言えない」と厳しい評価の星野監督に「アイツは合格」と言わしめた男。松井裕樹が久米島キャンプのMVPにふさわしいだろう。今シーズンの注目度No.1左腕。初めてのキャンプでコンディション維持も難しい中で脱落することなく、しかも堂々の先発ローテ候補として生き残っている。今後は対外試合でどこまでその力をアピールできるか。黄金ルーキーの奮闘の日々は続く。
埼玉西武ライオンズ
昨季順位 2位[74勝66敗4分/勝率.529]

[90点]
○予定どおりの土台作り
X実戦でどうかは“?”

土台作りは完了
主力は競争より開幕!


 第1、2クールは走り込みなどを中心とした基礎練習に終始。第3クールからようやくゲームノックを開始と、段階を踏んでいくやり方は、伊原監督が目指す「ミスのないち密な野球」には必要不可欠と考えての方針だ。最初の紅白戦はオープン戦開始直前の2月20日と遅かったが、これも予定どおり。すでに先発ローテや開幕オーダーの構想が明確にあり、主力には競争よりも1年間戦える体を作り、また開幕に間に合うように調整すればいいという余裕も持たせている。

 四番復帰が濃厚の主砲・中村は2月18日の練習で左ワキ腹の違和感を訴えたが、幸い軽傷で1週間ほど打撃練習を行わずに様子を見る。もともと2月中のオープン戦は一部の選手はチームを離れ独自調整の期間だったこともあり、焦る必要はなく、開幕への不安はないようだ。“鬼”と自認する伊原監督も「選手も一生懸命練習して、カミナリを落とすところがなかった」と満足感をにじませたが、実戦が少なかっただけに、そのジャッジは開幕後になるだろう。

[キャンプMVP] 浅村栄斗[内野手]


二塁守備マスターへ!

 昨季打点王を獲得した24歳だが、今季は打撃のみならず守備での大きな期待も担っている。昨季まで片岡(現巨人)が守った二塁へのコンバートとなるため、連日の特守で守備を鍛えた。全体練習後には、同じ24歳の金子侑と二遊間の連係を繰り返し、ときには奈良原コーチとのマンツーマンも。細かい脚さばきに連係、送球。まだミスは出るが「もう1球!」と貪欲に取り組んだ。守備面の不安を解消できれば、打撃へもいい影響を及ぼすはずだ。
千葉ロッテマリーンズ
昨季順位 3位[74勝68敗2分/勝率.521]

[90点]
○新加入で競争意識アップ
X期待株に故障発生

一、二軍合同キャンプで新戦力がアピール

 昨季は新戦力が次々と台頭したロッテ。16年ぶりに一、二軍合同となった春季キャンプでもその兆候を感じさせた。

 まずはルーキー勢。石川、吉原は先発、救援で好結果を残した。捕手の吉田も紅白戦などで積極的にスタメンマスクを任され、順調に経験を積んでいる。井上も豪打で話題を独占し、それぞれの持ち味を発揮した。

 既存組では、投手陣で涌井の加入により先発争いが激化。成瀬、唐川らが例年以上の仕上がりを見せている。内野でも新助っ人のクルーズに刺激を受け、鈴木、根元の二遊間が精力的に特打、特守を敢行。一軍実績のない大嶺翔が三塁で猛アピールするなど、層は厚くなった。涌井らの加入は単なる戦力アップだけではなく、競争意識を促す相乗効果を狙う目的もあった。熱のこもったアピール合戦は伊東監督の狙いどおりだった。

 誤算だったのが先発候補だった川満と、好守の新人内野手・三木の故障。ここ数年は故障者の続出が失速につながっているだけに、今後の対策が必要だ。

[キャンプMVP] 井上晴哉[内野手]


球場内外で話題の中心に

 キャンプ初日のバックスクリーン直撃弾に始まり、紅白戦ではランニングホームランを含む2試合連続本塁打。2月16日のオリックス戦(石垣島)でも猛打賞と、終始打ちまくったアジャ。プレー以外でもG.G.佐藤とのキャラクターを懸けた相撲対決(結果は敗北)などで話題を振りまき、充実のキャンプとなった。伊東監督も「このまま残ってくれれば。シーズンで使うなら五番か六番」と期待を口にしており、開幕クリーンアップも見えてきた。
福岡ソフトバンクホークス
昨季順位 4位[73勝69敗2分/勝率.514]

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