オープン戦真っ盛り。プレシーズン序盤は、ルーキーや一軍定着を目指す若手プレーヤーが、ここぞとばかりにアピールを続けてきた。
しかし、3月28日の開幕まで約2週間と迫ったこの時期、キッチリとパフォーマンスを上げてくるのがベテランたちである。
ここでは新シーズンに再び輝きを放つことを誓うナイスミドルに注目。まずは新生ドラゴンズで、さらなる“成長”を宣言する荒木雅博に、熊本工高の先輩・緒方耕一氏が迫った。 構成=坂本匠 写真=小山真司、松村真行 沖縄・北谷にて 2000本が見えてきた 荒木 先輩、今日は楽しみにしていました。よろしくお願いします。
緒方 よろしくお願いします。ズバズバ行くよ(笑)。さっそくだけど、荒木は、歳はいくつになったの?
荒木 9月で37歳になります。
緒方 高校出てすぐのプロ入りだから、今年で19年目かな。僕は12年で引退しているし、37歳には2度目のコーチをやっていた。長くやれてすごいと思うし、うらやましいよ。
荒木 『去年のままでは終われない』、という気持ちが強いんです。最終的に、105試合には出ましたが、規定打席にも届きませんでしたし(384打席、規定打席は446打席)……。
緒方 ここ数シーズンではなかったことだよね。
荒木 2002年から規定打席はクリアしていたので、12年ぶりですね。
緒方 ケガの影響が長引いた?
荒木 ケガは治っていたんですけど、結果が伴わなかったです(苦笑)。
緒方 今、一番ケガの心配があって注意を払っている部分は?
荒木 やっぱり、足かなと思います。
緒方 筋肉系?
荒木 そうですね。ここ3シーズン、足のケガ、太ももの肉離れを起こしてしまうことが多くて、離脱してチームに迷惑を掛けました。ただ、まだ太ももで良かった。これがふくらはぎだとかなり危険ですけど……。
緒方 僕や荒木みたいに足、スピードを生かしたプレーヤーだとどうしてもね。厳しいようだけど、タイプ的に、ポジション的に、動けなくなったら、ちょっとまずいよね。
荒木 それは自覚しています。ケガをして足が動かなくなったら、先のことを考えなければいけないな、と。
緒方 先輩として、そこを知りたい。ズバリ聞くけど、まだ動ける?
荒木 動けます。ダメだなという感覚は、今もまったくないですし、これまで感じたこともないです。
緒方 セカンドでの守備範囲は?
荒木 自分の中の感覚では、昔と何も変わらないんですよ。
緒方 すごいね。その言葉を聞いて安心した。自信のある言葉、顔つきもそうだけど、充実したオフ、キャンプを過ごせたみたいだね。
荒木 そうですね。体のどこにも不安がないですし、足もよく動く。すごく良い状態なので、このまま開幕を迎えられたらいいですね。
緒方 ということは、盗塁の方も期待できそう。120〜130試合に出たら、いくつ走る自信がある?
荒木 20以上は間違いなく走れます。あとはどれだけ上積みさせていくことができるか。ここ3シーズンは途中離脱もあって、10台(18、12、12)なのですが、今年は積極的に狙っていきたいと思っています。
緒方 これだけ体の状態がいいと、2000安打も見えてくるね。今、通算1731安打だから、残りは269本か。狙っている?
荒木 う〜ん、よく皆さんにも言われるんですけど、ちょっとまだ遠過ぎるので、『狙う』という感覚では見ていないですね。
緒方 いやいや、今年シーズンをフルに戦い抜いて、規定打席をしっかりクリアして150本くらいヒットを打てば、残り119本でしょ?
荒木 あれ? 見えてきちゃいます?
緒方 今シーズンの開幕がまだなのに来シーズンの話をするのは申し訳ないけど、15年の達成は、かなり現実的だよ。
荒木 そうなりますね(笑)。そのためにも、ケガなく今シーズンを戦い抜くことですね。
緒方 阻止したいな〜、後輩の大記録(笑)。
荒木 敵が多ければ多いほど、燃えちゃうタイプですよ、僕(笑)。
僕が、合わせます 緒方 今年、今まで10年以上も二遊間でコンビを組んでいた井端(弘和)が
巨人に移籍。長くプレーしてきたから、阿吽(あうん)の呼吸で、あえて練習で合わせなくても良かったと思うんだけど、今年からは新たなパートナーとコンビを組むことになる。特にショートに若い選手が入ったとき、荒木に合わせられるのか、とても心配に思って見ているんだけど、ここまでキャンプ、オープン戦と過ごしてきて、どう感じている? 実績、経験を持っている荒木が、逆に合わせてあげなければいけないシーンも出てくるのかな。
荒木 僕はもう、全部合わせようと思っているんです。ショートに誰が入っても。そのレベルに合わせて。
緒方 そうなんだ。それは荒木には負担かもしれないけど……。今年のドラゴンズのショートはまだまだ競争が続いているよね。最近のオープン戦を見る限り、3年目の高橋(周平)が先発をつかんでいて、想像以上に動けているなとは感じたけど。
荒木 プロ入りして3年目で、かなり動けるようになりましたね。少しずつ、うまくもなっています。
緒方 バッティングは高校時代から折り紙つきで、彼がショートを守れるならチームとしても良いと思う。ただ、誰がショートに入っても、井端と比べれば・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン