下馬評の低かったオリックスが、多くの予想を覆す活躍を見せている。1995年、96年のリーグ2連覇、96年の日本一以降、成績は下降戦をたどる一方だった。5年連続Bクラスのチームにいったい何が起こったのか。オリックス大躍進の理由に迫る――。 日替わり打線で対抗 開幕前、評論家や記者の大半はオリックスを「最下位」に予想していたようだ。5年連続Bクラスの5位に終わった昨季、最大のネックとなったのは『打』で、チーム打率、総得点ともにいずれもパ・リーグ最下位の数字。そこから、チームトップ24本塁打を放った四番・
李大浩が
ソフトバンクへ、17本をマークした五番・
バルディリスが
DeNAへ移籍。もともと弱かった攻撃力に、その“2枚のマイナス”はあまりにも大きい――。それが下馬評の低さにつながるのは、むしろ当然だろう。
2年目の
森脇浩司監督も、その弱点は承知の上。これをカバーするために、指揮官が開幕前に立てた戦略の一つが「日替わり打線」だった。
「理想はあるよ。メンバー表に9人の名前を書いて、そのまま試合をやって、そのまま勝つ。でも今のウチには、固定して戦えるだけの強さはないからね。これが適切かどうかは分からないけど、ウチには別に守るものは一つもない。オリックスというチームに存在する選手に関しては、われわれが一番分かっているからね。その中で、最もいい方法を採っていく。それがウチのセオリー」
指揮官の言葉どおり、開幕から24試合を終えた4月26日現在、組んだオーダーは、早くも20通りを数えている。2試合連続での同オーダーも2度だけ。ソフトバンクが開幕22試合で6通りという不動ぶりとは対照的だ。相手との相性、自陣の選手の調子を見極め、あらゆるパターンを繰り出していく。かつてオリックスを率いた故・
仰木彬監督も顔負けの組み替えぶりだが、昨季の1試合平均得点「3.56」が、今季の23試合終了時で「3.96」と改善されているように、その効果は明らかに出ている。
象徴的な例が、4月25日の
楽天戦(京セラドーム)だろう。そこまでの22試合中、20試合で「二番」でスタメン出場していた35歳の
平野恵一を「勝負どころでの対応力が強いから」と森脇監督は楽天のエース・
則本昂大を攻略するための切り札として「六番」に据えると、二死無走者から4点を先制した2回には、その口火となる右前打を放ち、3回には追加点をたたき出す右越え二塁打、5回にも適時三塁打を放つなど3安打2打点をマーク。的確な選手起用ぶりが光っている。
外国人を適材適所に
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