開幕ダッシュに失敗し、両リーグを通じて最速で30敗目。さらに借金の数も両リーグで最大の14(6月2日現在)と、交流戦が始まってもいまだ最下位での一人旅が続く西武ライオンズ。そして、6月4日には成績不振を理由に伊原監督が休養…昨秋、伊原監督就任時には「西武はパ・リーグの盟主でなくてはならない。優勝しかない」と“常勝軍団復活”を掲げた西武ライオンズに、何が起きているのか。 写真=BBM 「常勝軍団復活」を掲げていた西武ライオンズが、まさかの苦戦を強いられている。50試合を終えた時点で最下位に低迷している。
「なんだかんだ言っても最終的には西武はAクラスに入ってくる」という球界の通説も危うく感じてしまう。“強いライオンズ”が失われてしまっている現状を何点かの側面から分析したい。
1. 開幕カードと僅差の敗戦 開幕から5月31日までの50試合で1点差ゲームは15試合。勝敗の内訳は2勝13敗と、借金11にも上る。1点差ゲームの結果が逆になっていれば……と考えれば、最下位は簡単に脱出できている。
今季最初の1点差での敗戦は開幕戦の
楽天戦(1対2)。この試合は2年連続の開幕投手としてエースの岸が先発した。7回7安打2失点とクオリティースタートを決め、役割は全うした。だが、味方の反撃は1点で終わり、シーズンの1試合目で早くも負の連鎖がスタートしてしまった。
開幕カードの楽天3連戦で西武球団1年目となる1979年以来35年ぶりに開幕3連敗を喫した。3試合で奪った得点は4点のみ。チーム打率は.149で得点圏打率は1割5厘とチャンスでもさっぱりだった。80年以降、セパ両リーグで西武だけが開幕3連敗を記録していなかったが、“強いラインズ”を象徴していた伝統の記録も途絶えてしまった。
2. 構想との誤算(オーダー) 1月2日のファンイベントで伊原前監督は、壇上で異例とも言える早期段階で「開幕オーダー」を発表した。
一番(左)栗山 二番(右)熊代、斉藤、木村 三番(二)浅村 四番(一)中村 五番(指)坂田 六番(三)ランサム 七番(中)秋山 八番(捕)炭谷 九番(遊)金子 一方で実際の開幕オーダーは下記の通りだった。
一番(指)栗山 二番(右)熊代 三番(中)秋山 四番(二)浅村 五番(左)木村 六番(一)脇谷 七番(三)ランサム 八番(捕)炭谷 九番(遊)金子 打線のど真ん中に座るはずだった主砲・中村がキャンプ中に離脱。オープン戦で一時は復帰し、直前まで開幕を目指したが、最終的には首脳陣が大事をとるかたちで開幕二軍を決めた。五番に据えていた坂田はオープン戦で極度の不振に陥り、開幕二軍での再調整を命じられた。打線の枢軸を担うクリーンアップの2人がオーダーから消え、打線の組み替えを余儀なくされた・・・
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