オールスター前日の7月17日、今秋に予定されている“ 日米野球2014(仮称)”に挑む侍ジャパンの先行メンバーとして、小久保裕紀監督が6名を選出、発表した。異例とも言えるタイミングでの発表には、若き指揮官、そしてNPBの危機感が表れていた。 キーワードは“誇り”、“自覚”、“本気” 第3回WBCで準決勝敗退したことを受け、「2017年世界一奪還」を使命に、小久保裕紀をトップチーム監督に抜てき。昨年11月には26歳以下の若手を中心にチームを編成、チャイニーズ・タイペイとの3連戦(3勝)で、若き指揮官率いる新生・侍ジャパンはスタートを切っていた。
あれから8カ月。ペナントレースもあり、代表チームの常設化をうたいながら、特に表立った活動は行われてこなかった(世代別代表に関しては省略)。
しかし、7月17日、球宴による中断を利用し指揮官が会見、今オフ11月に8年ぶりに開催される「日米野球2014(仮称)」を戦う侍ジャパンの第1次選考選手として、6選手を先行発表した。「中心となるメンバー」と指揮官が期待をかけるジャパンの枢軸は、
オリックス・糸井嘉男、金子千尋、
楽天・嶋基宏、
広島・前田健太、
巨人・坂本勇人、
日本ハム・中田翔の6人。
異例とも言える時期の代表選手発表には、常設化された侍ジャパンの存在を今一度、ファンのみならず選手たちに強く印象づける狙いがあるようだ。
加えて選ばれた選手には“代表選手”としての自覚と誇りを持ち、ペナントレースを戦う中でも、常に世界を意識してほしいとの指揮官の想いが込められている。「17年世界一奪還」と言ってはみたものの、制約が多く、代表強化は遅々として進まず。今オフの日米野球を小久保監督は絶好の強化の場と位置付ける。
「17年WBCに向けた強化試合という意味合いが強い。相手がどのようなスタンスでも、真剣勝負にこだわっていきたい」。その他のメンバーはシーズン終了後に発表される予定だが、「17年に主力足り得る選手」という視点で視察を繰り返していくという。
で、あるならば、中心6選手以外に“代表候補選手”を発表しても面白かった。“候補”であってもそこには自覚が芽生える。日の丸を新たなモチベーションにする選手も少なくないはずだ。
◆小久保監督評&選手コメント #13 中田 翔[北海道日本ハム/外野手] ★=13WBC、13台湾遠征 小久保監督評 日本で一番の長距離砲
選手コメント 「国際大会を経験し、素晴らしい先輩方の中で一緒に野球ができること、日の丸の重みというものを感じました。日の丸を背負って野球ができることに興奮していますし、期待を裏切らないようにしたい」
#18 前田健太[広島東洋/投手] ★=13WBC 小久保監督評 日本球界を代表するエース
選手コメント 「またこうやって侍ジャパンとして日本代表のユニフォームを着られて光栄に思います。前回のWBCでは僕の先発した試合で敗退してしまったので、なんとか力をつけて次のWBCまでにチームの中心となれるようにやっていきたいです」
#19 金子千尋[オリックス/投手] ★=特になし 小久保監督評 制球力は日本でトップランク
選手コメント 「正直な気持ち、選ばれると思ってなかったので驚いていますが、選ばれたからには期待に応えるピッチングをしたいです。自分に求められているのはパワーピッチではないので、日本人らしい、自分らしい投球を心がけたいと思います」
#90 小久保裕紀[侍ジャパン/監督] ★=92バルセロナ五輪銅メダル 小久保監督評 勝利にこだわる指揮官
監督コメント 「今回(秋の日米野球)の目的は2017年のWBCで勝つため。過去は親善試合という意味合いが強かったかと思いますが、今回は強化試合。真剣勝負、勝つことにこだわり、チームもこの6名の選手が中心になると思い、選出しました」
#7 糸井嘉男[オリックス/外野手] ★=13WBC 小久保監督評 攻・守・走そろった日本一の外野手
選手コメント 「選考で選んでいただき、すごく引き締まる思いをしています。WBCに向けての強いチーム作りの一環として、(日米野球では)中心選手として走攻守で引っ張っていけるように、年齢的にも上なので、リーダー的なところも出せるよう頑張りたいです」
#37 嶋 基宏[楽天/補手] ★=13台湾遠征 小久保監督評 扇の要でチームをまとめる役回り
選手コメント 「台湾戦では日の丸を背負って戦うプレッシャーがありました。先日のワールドカップを見ていても日本を代表して戦うというのは想像以上のプレッシャーがあると思います。一生懸命声を出して、チームをまとめていきたい。やるからには勝ちたい」
#6 坂本勇人[巨人/内野手] ★=12WBC 小久保監督評 伸びしろ秘めた大型ショート
選手コメント 「前回の大会(13年WBC)で日本代表のユニフォームを着るのは重たいと感じました。感じたことのないプレッシャーを感じたので、そのプレッシャーに負けないように、これからもっともっと練習して頑張りたいと思います」
◆侍ジャパン2014年度の活動スケジュール 11/10 H&F連合チーム(福岡/ヤフードーム)/強化試合 11/12 MLBオールスターズ(大阪/京セラドーム)/日米野球2014第1戦 11/14 MLBオールスターズ(東京/東京ドーム)/日米野球2014第2戦 11/15 MLBオールスターズ(東京/東京ドーム)/日米野球2014第3戦 11/16 MLBオールスターズ(東京/東京ドーム)/日米野球2014第4戦 11/18 MLBオールスターズ(札幌/札幌ドーム)/日米野球2014第5戦 11/20 MLBオールスターズ(沖縄/セルラー)/エキシビジョンマッチ