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Photos by Masayuki Matsumura & Shinichi Sato

First Time

“初めて”は成長の糧だ。初めては経験となり、経験の積み重ねが自信となる。やってみること。チャレンジしてみること。最初の一歩を踏み出すから、次の一歩を着く場所が見える。そして次の一歩には勢いがつき、歩みはやがて疾走に変わる。

 たくさんの“初めて”をかき集めながら、加速度的に成長している。広島菊池涼介だ。昨季は初めてシーズンを通して一軍で戦った。今季は初めて開幕からスタメン出場を続ける。打撃でもチームに欠かせない存在になった。昨季の打率は・247だが、今季は9月に入っても3割をキープ(もちろんこれも初)。プロ初の三番にも座った。そして9月9日の中日戦(マツダ広島)では「おいしい場面で回ってきた。最高です!」と、プロ3年目で初めてのサヨナラ打。初めての味を聞かれると「甘いっす」と笑った。

 初めて経験する優勝争いだが、プレッシャーとは無縁。9月の月間打率は14日時点で.367。しびれる戦いの連続をむしろ、楽しんでいる。楽しめるのは、この初めての日々が自分を成長させることを知っているからだ。

 サヨナラ打のお立ち台では「優勝しましょう!」と高らかに声を上げた。その経験は何物にも代えられない成長の糧となる。その“初めて”が現実となるのなら、菊池はどんな言葉でその味を表現するだろうか。

きくち・りょうすけ●1990年3月11日生まれ。東京都出身。171cm69kg。武蔵工大二高-中京学院大-広島12年2位。内野手。背番号33

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