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アドバンテージの1勝が最後にモノを言い、ソフトバンク日本ハムを退けた。日本ハムは引退する稲葉、金子誠のためにと驚異的な粘りを見せたが、あと一歩及ばず。地力に勝るソフトバンクが、今季限りで退く指揮官とともに、最終決戦の舞台に立つ。

難病乗り越えた精神力で頼れる左腕が頂上決戦へ導く



▲4回無死二塁で右前に先制打を放った内川。「トナリ(大隣)を楽にしてあげたかった」



▲大隣は7イニングで6安打を浴び毎回のように走者を背負いながら、一度も連打を許さなかった



 最後の戦いの先発を任せられるのは大隣しかいなかった。10月2日の優勝決定試合(対オリックス、ヤフオクドーム)で6回無失点の好投。「アイツしか耐えられなかったと思う」と秋山監督も頼りにする精神力で、CSファイナルステージ初戦の7回2/32失点、中4日のこの試合の7回無失点と「しびれる試合」で結果を出した。


 語ったことがある。

「なんか緊張しないんですよね。野球をやめないといけないかもしれないところを経験して、心が勝手に強くなってくれてる感じです」

 今年7月、一軍に復帰して先発として今季初勝利を挙げたあとのことだ。昨年、国指定の難病「黄色じん帯骨化症」を発症し、手術。つらく、長いリハビリ生活だった。しかし、「目の前のことに集中して、コツコツやってきた」と地道に取り組んできた。自分の現在地を見つめ、ベストの選択を行う。その繰り返しの中で、心は強化された。だからピンチでも動じない。最善の一手を打って、その芽を摘んだ。

 6回無死二塁、絶好調の日本ハムの四番・中田を見逃し三振に斬った137キロは相手をのみ込む迫力に満ちていた。「自分の力を出せてよかった」。魂を込めた99球がチームを日本一を決める戦いに導いた。

▲四回二死一、三塁から貴重な2点目をたたき出した吉村。CSのMVPにも選ばれた


▲5回にソロ本塁打を放った細川。リードだけでなく、2打数2安打1四球と打つ方でも大活


▲日本シリーズ出場ならず 栗山監督のコメント「札幌に帰るという約束を守れなかったことは本当に申し訳ないです。すべてにおいて相手が上だった。そのことが最後の試合で出ましたね。その差を受け止めてやっていくしかない。ただ、チームは間違いなく進んでいます」

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