日本一を懸けた争いが行われている裏で、来季の覇権奪回を目指して、その他のチームはすでに練習を再開。特に新監督就任が発表された広島、楽天、ヤクルト、西武は指揮官の指導にも熱が入る。果たして、どのような方法で巻き返しを図るのか。この4チームの秋季練習リポートをお届けする。 テーマは“体力強化”と“守備・走塁のスキルアップ”
▲選手の動きに厳しい視線を送る真中監督[写真=金城聖子]
10月18日、
真中満新監督の下、来季へ向けたスタートである秋季練習が始まった。就任会見で「守備を含めディフェンス面が大事になってくる」と語っていたとおり、この秋のテーマは“体力強化”と“守備・走塁のスキルアップ”だ。
新監督の命を受けた
福地寿樹外野守備・走塁コーチは言う。「守備と走塁がしっかりできれば勝てるチームになると思う。守備からリズムを作って、走って決める」。そのための基礎をしっかりと行う必要があるのだ。試合中も譲り合うのではなく、自分が捕るんだと強い意識を持って守備に就いてほしいとも語る福地コーチ。そのために必要なのは自信をつけることだという。だから、徹底的に基礎をたたき込む。打撃よりも守備練習に費やす時間を増やし、捕球動作など基本の動きを中心に練習。その後、走り込み。時間にすれば2〜3時間程度だが、選手からは口々に「きつい」という言葉が聞かれる。
福地コーチは続ける。「疲れたときにこそ、あともう一歩、足が出せるように。ギリギリのところで踏ん張れるかは、体力が重要になる。球際に強くなるためには体力が必要」。だからこそ、今は徹底的に走り込んでいる。走塁練習も基礎中の基礎であるベースランニングに時間を割く。技術アップというよりも意識を高めるために。いかに早く回るか、そういった意識を常に持つことが大事なのである。
投手陣も同じくトレーニング、ランニング、キャッチボールを中心に基礎練習と体力強化に励む。若きエース・
小川泰弘は「基本練習が多いけど、惰性にならないように、向上心を持ってやっています」と話し、先輩がこなしているメニューなどでも、自分に合ったものを取り入れながら自身のレベルアップを図っている。「来年200イニング投げられるように、下半身をしっかり鍛えます」と充実した表情。「自覚を持って取り組んでほしい」と切望する真中監督の思いをナインがしっかりとくみ取って練習に励んでいる。