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新春自主トレリポート

藤浪晋太郎 エースになるために!

 



1月14日、東京都内で広島前田健太大瀬良大地中田廉中崎翔太の広島勢「チーム・マエケン」の自主トレが公開された。その中に阪神藤浪晋太郎が参加している。なぜ、そこに藤浪が――。
写真=桜井ひとし

エース格の投手として一本立ちするために


 目標を持つと人はそれまで以上に向上心が芽生え、行動になって現れる。藤浪晋太郎のオフからの一連の言動や行動を見ていると、そのことがはっきりと分かる。

 尊敬する前田健太のトレーニングを少しでも盗もうと、進んで敵地に乗り込んだ。すべては「エース」になるために――。

「(プロ入り)3年目になるのでしっかり自立しなといけないですし、今年は180イニングは投げるつもりでいます」

 昨年1年間先発ローテを守り、25試合に登板。163イニングを投げた。1試合平均6.5イニングの計算。もし180イニングなら平均7イニング。これができれば中継ぎにも負担をかけない文字どおりエース格の存在となる。

 昨年は、日本シリーズまで進出したが、ソフトバンク相手に完敗。リーグ戦でも巨人に7ゲーム差をつけられての2位。「悔しい」という思いだけが残った。「リーグ優勝をして、日本一になる」というはっきりとした目標ができた。

「各チームのエースと投げ合ってチームに勝ちをつけたいと思っています。そのためには我慢の投球ができないと」

 日本を代表する大エースとの自主トレで、その帝王学を学び、盗む。キャッチボールのときから「どういうふうに力を抜いて長いイニングを投げるのか」などの技術的な質問も投げかけた藤浪。今回初の試みとなったチーム・マエケンでの自主トレで、今まで経験のなかったトレーニングにも触れ、確実に成長している。

「(自主トレは)鳴尾浜でも良かったのですが、いつもやらないメニューもあり、自分のためにもなると思います。2月1日まで充実したトレーニングをしていきたい。しっかり体をつくり、もう1〜2キロ増やしたい(現在93キロぐらい)。その後はキャンプでいろいろと調整していきます」

いままで経験のないトレーニングなどを取り入れ、しっかりとした体を作り上げている(左から藤浪、前田、大瀬良)



 チームが勝つために自分は何をしなければいけないのか、自分はどういう立ち位置にいるべきなのか。明確な目標があり、その達成のために、行動は逆算される。そこからくる向上心がはっきりとした言葉を生み出している。

 体の厚み、胸板の幅がこのオフの間でかなり出てきた。絵馬に書き込んだ「エース格の投手として一本立ちする」。それが有言実行される2015シーズンになり、阪神のエース=藤浪晋太郎が出来上がるのもそう遅くはないはずだ。

「チーム・マエケン」に入門し前田からエース帝王学を学んでいる藤浪。前田と投げ合っても絶対に負けないと、宣言した



PROFILE
ふじなみ・しんたろう■右投右打■1994年4月12日生まれ■大阪府出身■大阪桐蔭高−阪神13年1位■14年成績25試合11勝8敗0S防御率3.53
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