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巨人・原辰徳監督×伊原春樹 対談「僕は1年1年で勝負してきた男」

 

昨年はリーグ3連覇を果たしながら、CSで阪神に敗れて日本シリーズへの道を断たれた巨人。雪辱のシーズンへ向けて、「新成」をスローガンとして準備を整えているが、今年で指揮官生活12年目となる原辰徳監督を元ヘッドコーチの伊原春樹氏が直撃。日本一奪回に燃える意気込みなどを聞いた。
構成=小林光男、写真=大泉謙也


阿部一塁転向、坂本主将就任の理由


伊原 今年のチームスローガンは「新成」だそうですが、その意味を教えてください。

原 昨年、球団創立80周年という節目の年で、チーム一丸となって戦って結果的にはリーグ3連覇を成し遂げましたが、CSで阪神に敗れて日本シリーズへは進めませんでした。監督生活の中でも非常に不甲斐ない年でありましたし、こういうシーズンは二度と送りたくない、と。結局、力を出し切れた選手が少なく、チーム力は非常に低かった。2014年度のようなチームは2015年度には作らない、と決意がありまして。チームスローガンに「新しい」という言葉は入れたいと思い、日本一を奪回という大願を成就したい、と。だから、「新」と成就の「成」を合わせて、「新成」でスタートしようと決めました。

伊原 新しい巨人という意味では、まず阿部慎之助の一塁転向が大きな核となるでしょう。

原 昨年の秋季練習前日に電話をして「話をしよう」と。本人もどういうことなのか予想していたでしょう。慎之助が入団以来、一緒にやってきて、僕は彼のことを一番よく知っているつもりです。僕に対する信頼感も強いと思っています。思い切って、一塁というポジションで再スタートを切ろうと話して、いろいろな言葉はありましたが、二人の中で阿吽の呼吸でしたね。

伊原 阿部は昨年、コンディションがだいぶ悪そうでしたからね。

原 そうですね。それは一昨年の夏過ぎからでしょうか。捕手、キャプテン、四番という重荷を背負わせて、これまで野球をやらせていましたから。昨年のシーズン中から「来年は重荷を少し取った状態でやらせるから、今年はまっとうしてくれ」という話はしていたんです。2人の意思として、99パーセント捕手に戻さないという思いでいますね。

今季から一塁を務めることになった阿部。打撃に専念して、力を発揮しそうだ


伊原 さらに坂本勇人をキャプテンに抜てきしました。僕も適任だと思います。

原 まだ26歳ですが、レギュラーを獲得してから今年で8年目です。年齢的には若いですけど、キャリアにおいては中堅と言ってもいいでしょう。それに、最近の勇人は何か・・・

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