本日、セ・パ両リーグ同時でいよいよプロ野球が開幕する。大きな期待を込めて見守るファンも多いと思うが、しかし、ここにきて不安材料が報道され始めた選手やチームが出てきた。彼らは大きな不安を持って開幕を迎えるのか、それとも秘策があるのか――彼らの事情をリポートしていく。 写真=BBM、Getty Images 今季で高卒3年目に突入する。
大谷翔平はオープン戦2試合で不安定な投球を見せたが、3月21日の
巨人戦(東京ドーム)では3回1安打無失点の結果を残し、中5日で
楽天との開幕戦(3月27日=札幌ドーム)に挑む。
オフ期間の自主トレ、2月1日から始まったキャンプは順調だった。11日には
阪神との練習試合(名護)にDHで出場して初本塁打。17日の韓国・KIAとの練習試合(名護)での登板では最速154キロを記録し、3回無失点で6三振を奪う好投を見せた。3日後の11時11分、背番号の11に合わせた時間に、
栗山英樹監督から開幕投手に指名された。
キャンプ中にケガをすることもなく、「やりたいことをやれた」と充実していた。そんな中、キャンプを終えて札幌へ戻り、オープン戦でどのような投球を見せるか注目された。3月3日の巨人戦は、今年初めての札幌ドームでの登板で、開幕まで最後の本拠地マウンドでもあった。しかし、初回から乱れ、一死を取ったあとに2四球で走者をため、二塁打2本を含む3安打でいきなり4失点。2回は失点こそなかったものの、一死から3連続四球でピンチを招いた。3回に
高橋由伸に2打席連続の二塁打を浴び、4回はその試合6個目の四球を出すが、併殺で乗り切り、初めて3人で終えた。
「自分がこういう風に投げたいと思うような形で投げることができなかった。マウンドで修正することができなかったのが反省点です。内容が良くも悪くも、自分の軸は真っすぐなので、我慢しながら探り探り投げました」と反省を口にした。
キャンプ地で使用した沖縄・名護球場やほかの球場に比べて、札幌ドームのマウンドは固いため、その感触を確かめられたことが最大の収穫だった。登板翌日には「良くなかったけど、オープン戦あと2試合でどう変えていくかが大事」と切り換えていた。
オープン戦2度目のマウンドとなったのが3月11日に鎌ケ谷で行われた
DeNA戦だった。侍ジャパンの欧州代表戦と同じ日だったが、
日本ハムでの調整を優先し、上がったマウンドだった。しかし、温暖な沖縄、冬場も20度に保たれる札幌とは違い、鎌ケ谷は気温10度前後で肌寒い中での登板だった。大谷もマウンドで何度も自分の息で右手を温めるしぐさを見せるなど、投手にとっては厳しい条件であった。そこでも内容、結果ともに大きな不安を残すものとなる。
初回に一死から二塁打を浴び、2四球で満塁として犠飛で先制点を許す。2回は下位打線を相手に2三振を含む三者凡退に抑えるが、3回に捕まった。一死のあと本塁打を浴び、その後も3本のヒットで合計3失点。4回は二死から三塁打を浴び、この日2度目の暴投で4点目を失った。
「全体的に前回と変わりがなかった。引っかけたり、浮いたりで、まだまだでした。ただ、これで何かを変えることはなく、継続して同じ課題を持って投げるだけです」と状態がよくないことは認めるが、その表情からは焦りは見られなかった。開幕に向けて不安があるかという問いには・・・
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