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開幕直前クローズアップ

松坂大輔 明確な答えが見つからないまま開幕へ

 

本日、セ・パ両リーグ同時でいよいよプロ野球が開幕する。大きな期待を込めて見守るファンも多いと思うが、しかし、ここにきて不安材料が報道され始めた選手やチームが出てきた。彼らは大きな不安を持って開幕を迎えるのか、それとも秘策があるのか――彼らの事情をリポートしていく。
写真=BBM、Getty Images

ジキルとハイド的な投球で、明確な答えが見つからず…


 怪物は不安を抱えたまま、9年ぶりとなる日本球界での再出発を強いられることになった。オープン戦で残した成績は3試合の先発で、防御率3.75。12イニングを投げて被安打11、6四球と「本来の松坂」を知るファンからすれば物足りない結果の連続だった。しかも、3度目のオープン戦登板を終えた翌日(3月18日)にインフルエンザを発症。離脱を余儀なくされ、シーズン前最後の調整登板が予定されていた同24日の二軍戦登板(対オリックス)も回避せざるを得なくなるなど、期待を大きく裏切った。

完ぺきに仕上げてきたかに見えた松坂だが、開幕10日前にインフルエンザを発症し、調整の不安を抱えたままシーズンを迎える



 開幕2カード目の初戦(同31日)、対オリックス戦先発を任せる予定だった工藤公康監督が「普通に考えて無理でしょ。(開幕ローテを)見直さないといけない」と顔をしかめれば、佐藤義則投手コーチも「熱で関節が緩む可能性があるし、思ったボールを投げられないかもしれない。だから31日は考えていない。戻ってきて『はいどうぞ』というわけにはいかない」と日米通算164勝右腕を特別扱いしないことを明言した。

 2月の宮崎キャンプ中から、松坂の状態を不安視する声はささやかれていた。第1クールの4日間は投球フォーム固めのため、A組(一軍)スタートの日本人投手ではただ一人、ブルペン投球を行わず。第2クールでは日本特有の柔らかいマウンドに合ったフォームを模索する過程で、佐藤コーチから「あんなに(体が)開いていたら、ヒジも上がらないし、力んでしまう。捕手の方に向かっていくようにしないといけない」とダメだしを食らう始末だった。

 キャンプ中盤から終盤にかけては右手親指と薬指にできたマメの影響で投球練習すらできずじまい。総投球数は571球と、1579球を投げてキャンプ期間中の「投げ込み王」となった中田賢一とは約1000球もの差がついてしまった。投手によって調整の度合いが違うため、投げ込んだ球数がすべてではないが、松坂には常に疑問符がついて回った。

 ただ、周囲の喧騒をよそに、松坂が自分を見失うことはなかった・・・

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