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“プレミア12” 初制覇への戦い

プレミア12では「嶋に並ぶリーダー」と期待されるG坂本

 

ペナントレースが開幕。もちろんメーンは“所属チーム”だが、11月には初開催の世界大会・プレミア12が控えており、侍ジャパン戦士たちのパフォーマンスも気になるところ。ここではそんな彼らの働きぶりをクローズアップ。第1回は巨人の新主将・坂本勇人から。

 すべては新キャプテンのひと振りから始まった。3月27日の開幕戦勝利(対DeNA、東京ドーム。3対2)も、29日の第3戦大勝(11対3)も、“一番・ショート”の慣れ親しんだ定位置に座った坂本勇人が起点。いずれも安打で出塁(第1戦は左前打、第3戦は右前打)し、先制のホームにかえることで主導権の掌握に成功、何よりも欲しかった勝利に「ホッとしています。久々にしびれながら野球ができました」と笑顔を見せた。

第1、3戦で先制のホームを踏んだ坂本。さらに3戦目は5回に中押しの適時打を放つ



 2015年はこれまでにない大役を担い、重圧を背負っている。14年シーズン終了後に、昨季まで8年にわたって務めてきた阿部慎之助から、キャプテンを受け継ぐことが決まった。26歳での就任(第19代)は、戦後最年少で、球団創立81年の今季は2シーズン遠ざかっている日本一奪回がミッションとして課せられている。しかも、リーグ4連覇はV9以来、成し得ていない高い頂でもある。開幕前日にあらためてチームのターゲットについて問われると、キャプテンはその言葉に力を込めた。

「前回(07〜09年)は3連覇で止まってしまいました。4連覇して、歴史に名を刻めるように頑張りたい」

 今春のキャンプは第1クールを腰痛で別メニューとなるなど、いきなりつまずいたが、時を重ねるごとにリーダーとしての振る舞いも自然になりつつある。開幕戦直前のミーティングでも「1年間ここにいるメンバーで、一つのこと(日本一)に向かって頑張っていきましょう」とチームを鼓舞。

 そんな新キャプテンに期待と信頼を寄せる原辰徳監督は「言葉で引っ張るのではなく、背中で引っ張るタイプ。感情の高ぶりを出してもらってもいい。前任者(阿部)のマネをするのではなく、坂本らしくやってもらいたい」。

 侍ジャパン・小久保裕紀監督にとっても、この状況は大歓迎ではないか。「嶋基宏(楽天)と並ぶリーダーに」と期待し、昨秋の日米野球以降は中核メンバーの1人に指名してきた。もちろん、不動のショートで起用。セカンド・菊池涼介(広島)、センター・柳田悠岐(ソフトバンク)と形成するセンターラインは、その後、日本のストロングポイントになっている。プレミア12はシーズン終了後の11月に開幕。伝統球団を引っ張る1年を経て、坂本にどのような変化が生まれるのか。心身に及ぶ、さらなる進化が待望されている。

侍ジャパンでも不動の遊撃手。楽天・嶋基宏とともに、リーダーに指名されている



PROFILE
さかもと・はやと1988年12月24日生まれ。兵庫県出身。186cm83kg。右投右打。光星学院高から07年、高校生ドラフト1巡目で巨人入団。08年に開幕セカンドで先発出場を果たし、その後、ショートでレギュラーに定着。以降、09年は打率.306でベストナイン、10年は31本塁打、12年は長野久義とともに最多安打を獲得するなどチームの枢軸に。13年には第3回WBCに侍ジャパンの一員として出場。14年日米野球、15年欧州代表戦でも日の丸を背負う、日本を代表するショートストップである。今季からは巨人主将を務める。
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