大学卒業後にアメリカでスポーツ医学を学び、世界各地でトレーニングを指導してきた住田ワタリ氏。今春にはメキシコプロ野球、Tigres de Quintana Roo(ティグレス)にコンディショニングインストラクターとして帯同した。4回に及ぶ連載も今回が最終回。メキシコ野球の問題点と発展の糸口が、次第に見えてきた。 3月上旬に始まったオープン戦のラインアップを見ると、レギュラー陣が勢ぞろい。日本とはオープン戦のコンディショニングの概念が違う。試合に出て感覚を戻すことを最優先にするメキシコに対し、日本は試合の有無に関わらず、この時期は特打や投げ込みを優先し調子を上げていく。
調整方法の違いに、メキシコの選手、コーチは、「ポルケ?(なぜ)」と首を傾げる。共通点は見当たらない。野球文化、いやコーチング哲学の違いか。アメリカを含むラテン諸国では球数制限をかなり厳しく設け、球団主導であることも珍しくない。「肩は消耗品だ」と極力投げさせない割には、投球傷害についてはあまり浸透していないのは見てとれる。
選手のトレーニングを拝見。鏡の前を占領し、隆起した上腕二頭筋や上腕三頭筋を同僚と比べる。「今年は本塁打量産だ」「150キロは出るぞ」と力こぶを指差す。「打球を飛ばす」「速いボールを投げる」――それに必要な優先順位が、ボディビルダーさながらのトレーニングとは……。
高いパフォーマンスは各国の選手共通の目標だが、アプローチはずいぶんと違う。プレー以外の要素にはまだ改善の余地あり。解決できれば、さらなる発展が望める
MLBに所属していたことのある選手たちを見ると・・・
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