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2015最旬インタビュー

広島・新井貴浩インタビュー「ファン、カープの四番、黒田博樹」

 



8年ぶりに帰ってきた古巣。「帰ってこい」と温かい声を掛けてくれたチームのために身を粉にする決意は、「四番」の役割を託されるまでの信頼に変わった。苦戦が強いられるチームに太く立つ精神的支柱。想いが形として実を結ぶまで、全力を尽くし続ける。
※成績、記録は6月7日時点。
取材・構成=菊池仁志 写真=前島進、湯浅芳昭、高原由佳

感動、感激のお返し


──4月中旬から四番を任され、得点圏打率は.422と勝負強さを発揮しています。

新井 四番を任せてもらっていることを意気に感じます。何とか勝利に貢献したいという思いで毎日やっています。

──四番を任されるようになると想像していましたか。

新井 予想はまったくしていないことでしたね。エルドレッドという、昨年のホームラン王で100打点以上を挙げた四番バッターがいますし、また、若くていい選手がたくさんいますので、カープに復帰すると決まったときには今の自分のポジションや状況はまったく想像していませんでした。

──復帰が決まった当時、どのような役割を務めようと考えていたのでしょうか。

新井 復帰すると決めたときには、「帰ってこい」と言ってくれた球団に対して、とにかく、どんなことでもいいから、力になりたいと思っていました。そもそも、まさかカープ球団から「帰ってこい」という声を掛けてもらえるとは思ってもいませんでしたので。

──その気持ちがあったからこそ、四番という大切な役割を任されることは励みになるのではないですか。

新井 そうですね。励みになります。チームに「頼むぞ」というふうに思ってもらっている、その気持ちがうれしいです。だから、それに応えたい、その思いですね。

──広島に復帰を打診されたことに「まさか」と思ったとのことですが、広島でプレーしたいと心底思っていたのではないですか。

新井 タイガースに移籍してからも、もちろんカープのことは気になっていましたし、逐一、新聞とかでも情報をチェックしていました。ただ、まさか「帰ってこい」と言ってもらえると思っていませんでしたから、驚いたのが正直なところです。同時にすごくうれしかったんですよね。ただ、いざどうするのかを考えたとき、自分の主観では喜びもありましたし、「よし、帰ってもう1度頑張りたい」と思いました。しかし、客観視すると「イヤ、お前は帰ったらダメだろう」というのが答えなんですよね。1回、自らチームを出た人間ですし、移籍1年目の08年、昔の広島市民球場での試合のときにすごいブーイングを受けたことも覚えています。そんなファンの感情をはじめ、もろもろを考えたときに「帰っちゃダメだろう」と思えてものすごく悩んでいました。8年前にFAで広島を出るときと同じくらいの悩みでしたね。

──帰りたい自分と帰っちゃいけないと思っている自分。

新井 その2人の自分がずっと戦っていました。「帰ろう」と思った次の瞬間には「イヤ、ダメだろう」と。そしてまた、イチから考え直すんです。すごく揺れ動いていましたね。

──復帰を決断した決め手を教えてください。

新井 年齢を重ねてきていますし、残り何年プレーできるか分かりません。今年なのか、来年なのかと考える年齢になっています。その点で、これまで着たことのないチームのユニフォームを着て、自分が100%、120%の気持ちを込めて、そのチームのためにできるのかを考えたんです。そのとき、やっぱりカープのユニフォームじゃないと、そういう気持ちにはなれないと。それが結論です。

──昨年、阪神に退団を申し入れ、了承されたのが11月4日。14日には正式に広島と2015年の契約を結びました。ただ、その後も心の葛藤は続いたのではないですか。

新井 ありました。バッシングもブーイングも覚悟の上での決断でした。だから、自分が一生懸命やって結果も出して納得してもらえるようにやるしかないと思っていましたね。ただ・・・

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