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緊急ストーブリーグリポート
新生・金本阪神の守護神はいったいどうなる?

 

チーム再建を目指す金本阪神のチーム構想が揺らぎ始めた。12月2日、日本プロ野球機構から公示された保留選手名簿に、来季も抑えを担うべき呉昇桓の名前がなかった。2年連続でセ・リーグ最多セーブのタイトルを獲得した不動のストッパーが、いったん自由契約となるまさかの事態。さらには不法賭博問題も発生、一部容疑を認めたとの報道もされている。退団となった場合、来季金本阪神の守護神は一体誰が担うのか。

呉の強いメジャー志向と韓国賭博問題が絡み…


16年のクローザーは呉昇桓と決めていた金本監督



 高野栄一球団本部長は、守護神の名前がないことについて「まだ合意していないので。代理人と話をして、いったん外そうということになりました」と説明。「(呉とは)引き続き、契約交渉を進めていきます」と話したが、残留交渉が、この時点で厳しい局面を迎えていることが明らかになった。

 金本知憲新監督は就任にあたり、韓国人右腕がクローザーを務めることを前提に、チーム構想を組み立ててきた。抑えはエースや四番打者と同様、チームの柱となるポジションと位置づけており「(抑えの呉)ありきで計算している。いないと困ってしまう」と、就任1年目のチームに欠くことができない存在だ。指揮官自身、フロントを通して「残ってくれ」とメッセージを送っていた。

 14年に39セーブ、15年に41セーブを挙げた実績だけではない。アニキは「熱きハートを持った男だと聞いている。内に秘めたものがあると思う」と評価。「超変革」を目指すチームにとって、この強いメンタルこそ必要なのだ。

 球団フロント、首脳陣の思いとは裏腹に、呉昇桓は水面下で動いていた。かねてからメジャー移籍への関心をうわさされていたが、11月中旬には実際に渡米し、メジャー・リーグへの移籍を模索した。保留選手名簿から外れたことで、阪神の独占交渉権はなくなった。高野本部長は「相手が決定権を持っていることなので……」と、苦しい胸の内をはき出した。

 交渉を難航させている原因は、本人のメジャー移籍希望だけではない。韓国で大問題となっている賭博問題もからみ、話はさらに複雑になっている。10月中旬。元ヤクルトで、サムスンに所属していた林昌勇(イム・チャンヨン)投手が、マカオでの不法賭博を報じられ、韓国シリーズやプレミア12のメンバーから外れた。地検からの取り調べに対し、マカオのカジノで数千万ウォン(数百万円)を使用したと供述したが、マカオの運営業者は数億ウォンを使ったと話しているという。サムスンは11月28日、再契約対象となる保留選手リストを作成する際に林昌勇を除外。自由契約となった。

 この問題が虎の守護神にも飛び火した。韓国メディアは林昌勇だけでなく、海外で活躍する大物選手も関与していたと報道。実名は明かされていないが、林昌勇と呉昇桓のツーショット写真を掲載した。2人はサムスン時代のチームメートで、グアムで合同自主トレを行う間柄だ。

 阪神はこの問題にすぐさま対応した。11月上旬に球団関係者が韓国へ向かい、残留交渉をかねて事情聴取。四藤慶一球団社長はデリケートな問題だけに「あくまで韓国で報道されている問題で、真実がどうなのかは分からない。コメントのしようがない」と言葉を濁した。

 高野本部長は「本人と、代理人と話して、そういうことはないということでしたので」と本人サイドの証言を信じるつもりだったが、その後容疑の一部を認めたとの報道がされた。本人のメジャー・リーグ移籍希望だけでなく、こちらも今後の交渉に大きく影響する事案だ。起訴された場合今後の交渉は打ち切る方針を示している。

守護神は呉と決めていた金本監督直接交渉の可能性


年末まで待てないと困惑する四藤球団社長。ただ残留が決まったとしても賭博問題を抱えているため、苦しい状況には変わりない…



 困ったのはフロントだけではない。呉昇桓退団となれば、投手陣の配置は大きく転換する必要がある・・・

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