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レポート・NPB新人選手研修会
暴力団対策などを指導 緊張の面持ちで研修を受けるルーキーたち

 

暴力団対策、模擬インタビュー……新人たちの貴重な1日に


 1月9日、東京都内のホテルで12球団の新人が一堂にそろい、「NPB新人選手研修会」が行われた。講義前には東京ドーム内の野球殿堂博物館の見学があったが、このときは和気あいあい、偉大な先人たちの記念の品に目を輝かせ、“戦友”たちとの再会に会話を弾ませる姿もあった。

 しかし、研修会冒頭、熊崎勝彦コミッショナーの開会の辞で表情が一変。緊張が走る。昨年秋の野球賭博問題を受け、「好きな野球ができなくなる。分かりますか」と終始強い口調で訴えかけ、「居眠りは許しません」と大きな声で締めた。その後の講義でも3人の講師が69年の“黒い霧事件”や今回の巨人の事件の経緯、選手に近づく暴力団の手口などを事細かに説明した。そのなかで元近鉄の鈴木啓示氏が暴力団から八百長を持ちかけられ、「野球ができない体にしてやる」と脅されると、「野球ができなくなったら(実家の)酒屋を継ぐ」と突っぱねた生々しいエピソードも紹介され、「絶対に再発はさせない!」というNPBの強い覚悟が感じられるものでもあった。

講演を行った山本昌氏。話は投球術にまで及んだ



 厳しいだけではない。恒例となっている深沢弘氏(元ニッポン放送アナウンサー)の「話し方、インタビューへの対応」では、壇上で模擬インタビューも行われ、新人たちの初々しい対応と、深沢氏のさすがの斬り返し(ダメ出し?)に、何度も爆笑が起こっていた。深沢氏が絶賛したのがオコエ瑠偉(関東一高→楽天)。「君にはもう文句ないね。表情も豊かで言葉もきれい」と一番の高評価だった。

 OBとして壇上に登場したのが、15年限りで引退した山本昌氏(元中日)。「6年後、ここにいる3分の1はプロ野球界にいないでしょう。あせる必要はありませんが、思ったより時間はありません」と釘を刺しつつ、自身の無名だった若手時代、転機となったアメリカ留学、さらに故障との闘いなど45分間にわたって講演。50歳まで現役を続けた鉄腕の話に新人たちも熱心に聞き入り、大いに刺激を受けていた。

緊張の面持ちで研修を受けるルーキーたち

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