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be reborn 2016〜生まれ変わった男たちの決意〜
直撃 広島・大瀬良大地「レベルアップした大瀬良大地でチームに貢献できるように」

 

今後の野球人生を左右する1年になる。1年目は先発ローテーションを守り抜き、10勝を挙げて新人王を獲得。2年目はチーム事情からリリーフに回った。これまでチームを支えてきたエースが去った今季は、先発の柱としての自覚が求められる。新インタビュー連載のキーワードは「変化」。一新した立場で新シーズンに臨む男たちの声を聞く。



中継ぎの経験を糧にもう一度先発で勝負


大瀬良大地にとって今年の一番の変化は立場が再び先発になることだ。昨季は開幕から先発ローテーション入りしたが、9試合に投げた時点で1勝しか挙げられておらず、チーム事情もありリリーフに回った。その後は9回の中崎翔太につなぐセットアッパーに定着。与えられた役割の中で奮闘したものの、先発で完走できなかったふがいなさは、いつも心にあったに違いない。先発再転向する今季、自分への雪辱を果たす。

 先発に戻った今年、昨年に中継ぎを経験したことは大きな意味を持つことになると思います。先発もリリーフも厳しい仕事であることは変わりありませんが、プレッシャーのかかり方の種類が違う感じです。先発には試合の流れを担う責任感があります。一方でリリーフはその流れの中にいきなりパンと出て行って対応しなければなりません。その臨機応変な対応の仕方や心の持ち方が独特で、僕にとっては難しかったです。

 また、先発した投手の勝利の権利を消してしまう日もあって、そのときの気持ちがどれだけのものなのかを知りました。リリーフ陣はいろいろなものを背負ってマウンドに上がってくれています。それが分かったので、僕は先発として少しでも長いイニングを投げることでリリーフの人たちの負担を減らせるように。それができるピッチャーにならなければならないと思っています。

 昨年の途中、中継ぎをやることになったときには、シーズン終了までその役割をやり切る思いでいましたけど、心の中には「次の年にはもう一度先発で勝負するんだ」という気持ちを持っていました。昨年も開幕から先発を任されていて、それを外れてしまった悔しさと申し訳なさがあります。今年はその悔しさを晴らすシーズンです。

 ずっとアマチュア時代から先発でやってきて、長いイニングを投げることで勝ちに導いていける役割にやりがいを感じています。その気持ちは捨てることができないものです。というか、その気持ちを持ちながらこれまでやってきたので、先発で勝負させてもらえるのであれば、今度はそれを全うできるようにしなければなりません。

キャンプ初日からブルペン入り。「開幕投手を狙う」と宣言するなど、今季にかける思いは強い



悔しさを原動力に変えて


失意の幕切れだった。勝てば3位に浮上し、クライマックスシリーズ進出が決まる大一番、2015年10月7日の中日戦(マツダ広島)。大瀬良大地は先発した前田健太からバトンを受け、8回のマウンドに上がった。スコアは0対0。1点も許されない極限の緊張感の中で、痛恨の2失点。降板後のベンチでは涙を流した。あまりにも苦い、2年目の経験から得たもの。

15年の最終登板となった10月7日の試合後、目に涙を浮かべながら球場を後にした



 それまでに投げたどの試合にも感じたことがない、経験したことのない空気でした・・・

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