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楽天の大物助っ人・ゴームズはどんな人?

 

今年最後の大物助っ人来日と言っていいだろう。メジャー162本塁打の実績を持つゴームズ外野手が2月24日に宮崎入りし、楽天への入団会見を行った。「チームが勝つこと、日本一が目標」と力強く宣言した。

トレードマークだったヒゲを剃り落としたゴームズ。リーダーとしての役割も期待されている



 メジャー・リーグ、ロイヤルズからフリーエージェントになっていたゴームズが楽天と契約。入団会見の席上ではこう明言した。「個人的な目標の数字はない。チームが勝つこと、日本一が目標」。チームの規則に従い、トレードマークだったヒゲもきれいに剃り落とした。レッドソックスに所属していた2013年、ゴームズら主力選手がヒゲを蓄えチームの一体感を演出。そして世界一まで駆け上がったというストーリーがある。

 さぞかしこだわりがあると思われたが、本人の考えは違った。「ヒゲが野球をするわけじゃない。ヒゲの裏側にある一人の男の人間性を見てほしい」。この独特な言い回しに、現チームのリーダーである嶋基宏に通じるものが感じられた。「見せましょう、野球の底力を」。これは東日本大震災後にファンの前で嶋が語ったあまりに有名なフレーズだが、ゴームズにも同じようなエピソードが存在した。

 13年4月、ボストン・マラソンのゴール付近で爆弾テロが発生し、多数の死傷者を出した。その際、ゴームズがボストンの市外局番「617」の番号が入ったユニフォーム作成を提案。「ボストン・ストロング」という言葉とともに、この背番号が悲しみから再び立ち上がるための象徴となった。優勝パレードの際、ゴール付近に立ち寄って優勝トロフィーとともにユニフォームを捧げたゴームズの姿は、大きな感動を呼んでいる。

「数年前から追い求めていた選手。長打力のある打撃と野球に対する熱い想いを持っている。野球人としてだけでなく一人の人間として魅力があり、人間味にあふれた選手。闘志あふれるプレーで、チームの中軸として活躍することを期待している」

 安部井寛チーム統括本部長はゴームズについてこう語っている。日本人のリーダーが嶋だとすれば、外国人のリーダーはこの男だろう。有形無形の存在感で、2年連続最下位からはい上がろうとするチームを引っ張ってくれそうだ。

佐々木亮人チーム統括本部・国際部部長[左]とともに会見に臨んだゴームズ。この後、チーム練習に合流した

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