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現場からの声
巨人・川相昌弘三軍監督に聞く『なぜ、いま三軍なのか』

 

2011年から三軍制を敷くソフトバンクに続き、巨人が今季から育成選手を中心とする三軍を新設した。近年は外部からの補強と自前での若手育成・底上げの両立でチームを強化し、日本一2連覇中のソフトバンクにお株を奪われているが、“育成の巨人”復活へ向けて本腰を入れたかっこうだ。しかし、なぜ、いま三軍である必要があったのか。チームを率いる川相昌弘監督に聞いた。
取材・構成=坂本匠、写真=内田孝治


試合で失敗して気付くこと


チームは過渡期を迎えている。2012年の日本一をピークに、その後もリーグこそ3連覇したものの、13年は日本シリーズで敗退、14年はCSで阪神に敗れ、15年はリーグ2位とついにセ王者からも陥落した。変化が求められているチームは、補強に乗り出す一方で、「下(ファーム組織)からチームを支える仕組みを整えたい」(堤辰佳GM)と、三軍の新設を決定。このプロジェクトを成功に導くキーマンとして、昨季まで一軍ヘッドコーチを務めていた川相昌弘に白羽の矢が立った。

――昨年のシーズン終了後に三軍新設が決まりました。一軍ヘッドコーチからの配置換えで指揮を執ることになりましたが、巨人三軍の目的をどのように考えていますか。

川相 私が中日から巨人の二軍監督として戻ってきた2011年に、“第2の二軍”というチームが立ち上がりました。当時はみな二軍で練習をし、二軍公式戦に出場しない支配下選手と育成選手が混じって、数は少ないですがそれ以外の試合を戦う形。今回は、はっきりと一、二、三軍を分けての組織ですし、三軍単独で動き、練習も試合も行います。そこには三軍専属の監督、そしてコーチも各部門に1人ずつが付いていますので、いままで目が行き届かなかった部分も細かく指導が可能です。その中で三軍の一番の目的は、日ごろあまり試合に出ていない育成選手を中心に、実戦の機会を与え、レベルアップを図ること。それによって個々の特徴を生かし伸ばしていくことにあります。

――今シーズンは三軍単独で約90試合が予定されていますね。

川相 4月以降は9月までスケジュールがビッシリ。タフな日程だとは思うんですが、それにも耐えられるようにオフ、キャンプと準備をしてきました。ただ、試合に入ると、課題といいますか、ダメなところがかなり出てくると思います。それがある意味、われわれが求めているところで、練習をたくさんやっていても分からない、試合でやってみないと分からない、気付けない部分がたくさんあります。

――3月15日に三軍のシーズン初戦にあたる日体大戦(日体大グラウンド)が行われましたが、0対2での完封負けでした。

川相 実戦を想定して練習をしていましたけれども、やってみると・・・

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