南海・ダイエー、ヤクルトでの14年間の現役生活にピリオドを打ち、すでに指導者としての道を歩んでいた柳田聖人が、心機一転、次なるキャリア(サードキャリア)に選んだのが、大型スポーツ店専門店『スポーツオーソリティ』への就職だった。40歳の決断である。
取材・文=坂本匠、写真=BBM

40歳を過ぎたころに就職活動を決意

　きっかけは、1枚の張り紙だった。

「プロ14年間の現役時代も含め、その後のコーチ、少年野球指導と、仕事であちこちを転々とする生活でしたから、どこか1カ所に落ち着きたいと考えていました。そんなとき、スタッフ募集の張り紙を見かけたんです。野球に携われる仕事があれば、と就職活動をしていましたので、これは！と思って応募しました」

　福岡県大牟田市のイオンモール大牟田店内にある、大型スポーツ専門店『スポーツオーソリティ大牟田店(SPORTS AUTHORITY=株式会社メガスポーツ)』に勤める柳田聖人が優しく微笑む。赤いユニフォーム(店舗着)に身を包み、接客、品出し、PCチェックと、テキパキと仕事をこなす姿は、かつて南海・ダイエー、ヤクルトで内野ならどこでもこなすポリバレントな能力(宮崎・延岡工高時代は投手兼遊撃手)が重宝された、器用な選手時代にも通じるが「野球以外のスポーツも担当しますから、テニスラケットのガット張りなど、今までに経験のない仕事を覚えるまでは大変でした」と苦笑い。

　現在はガット張りはお手のもので、かつ土日祝祭日にはスポーツオーソリティ主催の野球教室等のイベントにもプロOBとして関わるなど、本職の野球がメーンに。充実の日々を過ごしている・・・