巨人先発の菅野智之が強力・阪神打線を相手に今季初完封・無四球で2勝目を挙げた。4回以降、二塁を踏ませない圧倒的なピッチングをひも解くカギは、“ギアチェンジ”にあった。

ケース1〜3 “走者あり”でギアチェンジ

　開幕戦から初の2試合連続中5日での登板が影響したのか、3回までは毎回安打を許す、らしくない立ち上がり。それでも1回、三番・ヘイグに初安打を許し、四番・福留孝介を迎えた場面では8球を要しながらも最後は135キロスライダーで二直に。3回、一死一、二塁で四番・福留、五番・ゴメスと続くこの日最大のピンチにも中飛、投ゴロと阪神が誇るクリーンアップを封じた。

　走者を背負う場面は1、2、3、7回の4度あったが、走者なし(CASE 6)の場面と比較し、ストレートの球速が平均で2キロアップと、ギアを一段階引き上げたことをうかがわせる。前述の1回、福留の打席では2-2と追い込んだ直後の6球目に150キロのストレート(ファウル)を、同3回の打席では3-1からの5球目にも149キロ(ファウル)とこの日の平均球速以上の威力あるボールで意識付け。この打席で決め球に選択した変化球の効果を高め、「菅野らしく辛抱強く抑えていた」と尾花高夫投手コーチも評価する、力の出し所を心得た投球を見せた。

ケース4〜6 あえて選んだストレート

　2回、先頭で迎える五番・ゴメスに対しては力を込めた・・・