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特集・今こそ熊本魂!

選手たちが送る故郷・熊本へのエール

 

ロッテ伊東勤監督は語った。「現役の熊本出身の選手たちは、しっかり結果を出すというのが故郷の人たちへのメッセージになる」。3人の“熊本男”たちが、プレーで、行動で、そして言葉で、湧き上がる故郷・熊本への思いを届けようとしている。

阪神・岩貞祐太「自分のピッチングで少しでも元気を出してほしい!」


熊本県熊本市出身。被災地へ発送が可能になった4月19日に、レトルト食品を中心に多くの食料を送った。実家に住む弟を通じて近所へ配布。震災の被害が大きかった益城町にも親族がおり、避難所生活を送っている。


「金額がすべてではないですけど、少しでも助けになればいいと思います。必要に応じて、今後も力になっていきたいです。(地震後)最初は実家にも連絡がつきませんでした。家の中はグチャグチャになってしまって大変だったようです。(家族は)パニックになっていました。僕は何もすることができなかったんですが、今後、もう何もないことを祈るだけです。(募金活動でファンたちの声を聞いて)本当は帰って手伝ったりしたいのですが、できないので、皆さんが気にしてくれてありがたいです。自分のピッチングで熊本の人が少しでも元気を出してくれるよう、頑張っていきたいです」

ヤクルト・松岡健一「困難を乗り越えていくのがスポーツ。スポーツ界全体で熊本のために」


熊本県玉名市出身。大学時代に過ごした九州東海大は土砂崩れが起きた南阿蘇村にあり、その寮が今にも落ちそうな光景を目の当たりにし、松岡は言葉を失ったという。毎日見ていた光景、生活していた場所が無残に姿を変えた。そして、後輩たちへの思いが込み上げた


「映像を見たとき、毎日生活していた場所なのにどこがどこだか分からなかったですね。今回、4年生たちは最後の大会の出場を自粛することになりましたが、それも本当につらいことです。僕はその大会で人生が変わったので、人生をかけて練習していた後輩たちの気持ちを思うと、悔しいです。何があっても立ち向かっていく姿勢、困難を乗り越えていくのがスポーツだと思いますので、後輩たちが野球をできる日が1日でも早く来てほしいです。

 ただ、あらためてスポーツの力ってすごいなと思いました。僕らが募金活動などで呼びかけたら[写真右、左は熊本県天草市出身の山中浩史]、多くの方が力になってくれました。僕らにできることは限られていますが、その中でできることを全力でやっていきたいです」

巨人・立岡宗一郎「野球ができることに感謝し、九州に元気なプレーを届けられたら」


熊本県田浦町(現芦北町)の出身。地元・鎮西高を経て、12年に巨人へトレード移籍しているものの、プロの門をたたいたのもソフトバンクで、九州、そして熊本愛は、いまなお深い。激戦区の外野手争いを勝ち抜き、今季は二番・中堅を不動のものに。ハツラツとしたプレーで、地元へメッセージを送る


「自分の住んでいた出身地で、大きな地震が発生したと聞いたときは、言葉が出てきませんでした……。友だちの家が震源地にあって、大変だったそうです。鎮西高(※校舎は熊本市)の野球部のグラウンドは、被害の大きかった益城町にあるんです。知り合いとも連絡を取りましたが、何て言葉を掛けていいか分からなかった……。

 自分にできることがあれば、ぜひやりたいと思っています。ただ、今の僕には野球でしか、元気な姿を見せられないと思う。熊本の皆さんは、今は野球どころじゃないと思うんですが、それでもプロ野球選手である自分ができることは、グラウンドで結果を出すこと。こうやって、野球ができるということにあらためて感謝して、九州に元気なプレーを届けられたらと思います。しっかりやらないといけないという思いを強く持っています」
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