オリックス・西野真弘選手。チーム最小兵ながら、その小さな体全身を使い、ガッツあふれる全力プレーを貫く。類いまれな打撃センスと、軽快にボールをさばく守備。プロ2年目ながら二塁手を不動のものにしている背番号39。その原動力は負けず嫌い――。300%の力を出し切り、闘志あふれるプレーを見せ続ける。6月2日に発売されたフォトブック「Bs Spirits」から記事の一部を公開いたします。 取材・構成=米虫紀子 写真=BBM 飛躍と挫折の狭間で葛藤を続けた1年目
2015年、ルーキーイヤーの活躍は鮮烈だった。迷いのない、思い切りのいいスイングで面白いようにヒットを重ねた。身長167センチ、68キロという小柄な体に比例しない力強い打球が、軽々と外野に運ばれていった。
「ただガムシャラに、全力でプレーして、チームに貢献するということしか考えていませんでした。プロで最初の年ですし、苦戦するだろうな、どこかで壁にぶつかるだろうなと思っていたんですが、思った以上にいい流れでできていました」
西野真弘はこう振り返る。
「自分はちっちゃいし、パワーがないと思われがちなので、逆にプロの投手の力のあるボールにも負けずに、弾き返してやろうと思っていました。負けず嫌いなんで(笑)。昔から、すごいピッチャーと対戦するのが楽しかったし、とにかく、でかい人や、すごい人には向かっていきたくなっちゃう性格でした」
その負けん気の強さが、プロの世界へ押し上げた。 国際武道大からJR東日本を経て、昨年ドラフト7位で入団。“7位”という順位も、かっこうの発奮材料だったのだろう。1年目のキャンプから一軍に帯同して猛アピール。開幕一軍入りを果たすと、次々に安打を重ね、4月後半からはスタメンに定着。打率は3割を越え、3本のアーチもかけた。
ルーキーながら堂々と持ち味を発揮する西野の姿を、チームメートの駿太はこんなふうに見ていた。「正直、自分と同じ外野手じゃなくて良かったなと思いましたよ。すぐにプロのピッチャーに対応して、あれだけの率を残していたし、何より勝負強かった。ベンチから見ていても、みんなが、チャンスで西野さんに回したら打ってくれるんじゃないかと思うぐらい、1年目だけどめちゃくちゃ頼もしかったです」
ところが、新人王候補の声も聞こえ始めた7月、西野は思いもよらぬ壁にぶつかった。右手の有鉤骨(ゆうこうこつ)骨折で戦線離脱を余儀なくされたのだ。
「本当に悔しくて……。あのときはメンタルをだいぶやられましたね。落ち込んで、しばらくはずっと放心状態でした。寮の部屋にこもってボーッとテレビを見ていました。でも何日か経って、『オレ何やってるんだろう』と思った。『ずっとこうしてても変わらない。今できることをやろう』と思えるようになりました」 ケガの間に落ちた握力や、細くなってしまった腕の筋力を取り戻すための地道なトレーニングを重ね、秋季キャンプからは一軍に合流した。
2年目の今年は、全試合出場を目標に掲げた。ただ、開幕当初は思うように結果が出ず、昨年の自分とのギャップに苦しんだ…
2年目の今季、どのような思いでプレーを続けているのか。この続きは「Bs Spirits」でお読みください。 「Bs Spirits」
2016年6月2日より、全国書店、公式グッズショップ「Bs SHOP」にて発売中
ベースボール・マガジン社
定価:1,204円+税
※Amazonに移動します
主な内容
◎全編撮り下ろし!9人(山崎福也、西勇輝、東明大貴、伊藤光、安達了一、西野真弘、駿太、吉田正尚、小田裕也)の輝けるフォトストーリー
◎選手ヒストリー
◎Bsナインの素顔
◎プライベートは無礼講!スペシャル対談 西野真弘×駿太
◎球場入りカバン拝見!!
◎9人からのプレミアムなスペシャルプレゼント
◎特別付録 私服&ユニフォーム両面ポスター
◎球団選手寮「青濤館」宮田寮長が語る9人の横顔ほか