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全日本大学野球選手権記念大会

日本一目指す27校が神宮と東京ドームで熱戦展開!

 

第65回全日本大学野球選手権記念大会は6月6日から7日間(準々決勝翌日の休養日を含む)、神宮球場と東京ドームで行われる。今年は節目の65回で、出場校が1枠増(27校)。九州地区大学野球連盟は北部、南部ブロックから各1校が出場する。1回戦から決勝まで26試合、負ければ終わりの一発勝負から目が離せない。大会の歴史を中心に振り返っていく。

「1952〜2015」64年を刻んだ大会史


東京六大学を3季ぶりに制した明大。大学選手権での優勝は、写真の胴上げされる善波監督の大学1年時[1981年]以来遠ざかっており、悲願を狙う


 1952年に第1回大会が開かれた全日本大学野球選手権大会は今年、65回の記念大会を迎える。会場は学生野球の聖地・神宮球場がその主戦場であるが、他のスタジアムで行われたケースもある。67年(第16回)は中日球場、74年(第23回)は札幌円山球場、89年(第38回)はグリーンスタジアム神戸。そして2005年(第54回)からは、神宮と東京ドームによる併用となった。6月の梅雨時期で毎年、日程消化に苦慮していたことからも、“ドーム開催”は運営上で大きな成果を上げている。

 また、昨年(第64回)からは高校野球の春夏の甲子園大会に合わせる形で、準々決勝翌日に休養日が設けられている。かつては組み合わせによっては、2回戦から決勝まで「4連戦」という超過密スケジュールを消化することも少なくなかった。主戦投手の連投を回避する意味でも、大きな意義があったと言える。

 また、11年(第60回)からは決勝を除き、タイブレークを導入(延長10回以降、一死満塁)された。同年に起きた東日本大震災による節電対策により採り入れられたが、翌年以降も継続されている。日程消化を優先するための措置だ。一部には異論もあったが、現在では一つの大会規則として定着し、スリリングな展開によって、大会全体を盛り上げている。

 出場校は1999年(第48回)に南奥羽(2001年から南東北)が単独出場となり、全国26連盟の代表校が出場する形となった。ただし、01年(第50回)は記念大会枠として北海道、沖縄が各1増により、28校で争われたことがある。第60回大会での出場増はなかったが、今年の第65回では、全国で最も加盟校が多い九州地区が北部、南部ブロックから各1校が出場できるようになった。つまり、今大会は従来から1増の27校によって、一発勝負のトーナメントによって「大学日本一」が競われる。

21校目のチャンピオンが神宮に現れるか!?


 歴代優勝校を振り返っていくと、神宮を本拠地とする東京六大学と東都大学が覇権を分け合ってきた。一時期は“実力の東都”が“人気の六大学”をリードすることもあったが昨年、早大が3年ぶりに制して24回ずつのタイ。かつての組み合わせでは、優勝回数の多い両連盟が決勝で当たるようになっていたが、最近は過去実績よりも前年実績が優先。

 昨年大会の上位4強(東京六、東京新、関甲新学生、神奈川)にシード権が与えられる一方、昨年の東都代表(専大)は準々決勝敗退。つまり、今年も順当に行けば、明大と亜大は準決勝で対戦する可能性がある。明大はエースで主将・柳裕也(4年・横浜高)を軸にまとまっており、善波達也監督が1年生だった81年以来の優勝を狙う。また、戦国東都の王者・亜大は開幕2連敗スタートからの逆転優勝。トーナメントには抜群の集中力を発揮してくるだけに、昨年11月の神宮大会に続く“秋春連覇”も決して夢物語ではない。

“戦国東都”を制したのは亜大。開幕連敗から見事にチームを立て直して8連勝で逆転優勝を決めた。トーナメントでは抜群の強さを発揮する


 東京六大学、東都大学の2強に次ぐのは関西学生の6回。ただし、連覇を遂げた98年の近大以来途絶えており、3年連続出場の立命大には復活が期待される。なお、首都は4度すべて東海大、仙台六は東北の雄・東北福祉大が2度の優勝を飾っている。1回優勝校に目を向けると、70年の中京大、そして21世紀に入ると2003年の日本文理大が九州勢としても初の日本一を遂げた。また06年には大体大、13年は上武大。こうして64回の歴史で全国の頂点に立ったのは計20大学だ。

 21校目のチャンピオンとして期待されるのが、12年秋の神宮大会を制している桐蔭横浜大だ。左腕・高橋拓巳(4年・前橋育英高)、右腕・齊藤友貴哉(4年・山形中央高)と二枚看板を擁しており、侮れない存在である。また、共栄大、中京学院大、花園大、環太平洋大、第一工大と初陣5校の活躍も期待される。1回戦から決勝まで26試合、白熱した攻防が繰り広げられそうだ。

桐蔭横浜大は3年ぶり出場。プロ注目左腕・高橋[写真]と齊藤の二枚看板を擁しており、初優勝も夢ではない(11月の神宮大会は12年秋に優勝)


2002年創部の共栄大は東京新大学リーグ初制覇。創価大、流通経済大、東京国際大と強豪チームを破ってきただけに、初陣初制覇を狙っている

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