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ペナントを熱くする男

日本ハム・陽岱鋼インタビュー「身を粉にしてプレーしていきたい」

 

オンリーワンの輝きファイターズの背番号1が攻守で躍動している。陽岱鋼、29歳。プロ11年目でチームリーダーとしての自覚も芽生え、指揮官も「他に代えがたい選手」として絶大な信頼を寄せるオンリーワンの存在。そんな男が見据える未来、胸に秘めたチームへの思いを聞いた。
取材・構成=松井進作、写真=早浪章弘、小山真司、高原由佳


悔しさをバットにぶつけて


この男の意地と思いが詰まった一発だった。4月9日の楽天戦(Koboスタ宮城)で左足首を痛めて戦線離脱するも、驚異的な回復力で同月21日(対西武・札幌ドーム)にスタメンへ復帰。6回一死一塁で菊池雄星からバックスクリーン左に特大のホームラン。背番号1が完全復調の狼煙を上げた。


──4月21日の西武戦(札幌ドーム)からスタメンに復帰し、そこから交流戦に入っても好調を維持しています。昨年のこの時期は左手舟状骨剥離骨折のケガで満足に野球ができなかっただけに、いまはプレーできる喜びを感じているのではないですか。

陽 本当にそうですね。一昨年、昨年とずっとケガで苦しんできて、さらに今年もでしたから……。まずはグラウンドに立てていることがうれしいです。大好きな野球ができない時期というのは本当に苦しかったですし、悔しかった。だからこそ21日のホームランは今シーズン第1号でもありましたし、ようやく本当の意味で開幕できたなと感じられたホームランでしたね。しかも、その試合は栗山英樹監督の通算300勝がかかった試合でもあったので、意地でも打ちたかったですし、これでいけるぞという自信にもなりました。

──2014年に打率.293、25本塁打、85打点、20盗塁とキャリアハイの成績を残しましたが、翌15年は一転して不本意な1年に。それだけに今シーズンに懸ける思いは強かった中、4月にケガをした際はいろんな感情が胸の中に渦巻いたのではないですか。

陽 とにかくシーズンの最初から最後まで戦うこと、それが今シーズンの一番の目標でもありました。だから早々にケガをしてしまったときは「ウソだろ、まさかの3年連続か……」と思いましたよね。悔しくて、悔しくて、歯がゆくて。でも幸いにも今回は軽症だったので本当にホッとしました。まだ100%の身体ではないですけど、それでも僕のことを信頼して起用してくれる監督のためにも、そしてチームのためにも、身を粉にしてプレーしていきたいと思っています。

──チームは交流戦真っただ中ですが、この期間は通常のパ・リーグとの戦いとはやはり違うものですか。

陽 気持ちの面もそうですけど、まずはチームとして本当に大切な18試合ですよね。ここでの結果が毎年ペナントの順位にも大きく影響してきますし、とにかく1試合、1試合大切に戦っていきたいなと。あとは個人としてはすごく楽しみでもあります。普段は対戦できないセ・リーグの選手たちのプレーを目の前で見ることができますし、毎年のことですけど、いろいろな発見や勉強ができる期間でもあるので。

──セ・リーグの選手で対戦が楽しみな選手、気になっている選手はいますか。

陽 たくさんいますけど、いまだったらヤクルト山田哲人選手です・・・

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