これまで主役の座に就けなかった男たちが、交流戦をきっかけに急浮上を果たした。後半戦に向けてチームを、そして“パ・リーグ”を、さらに熱くしていく男たちから目が離せない。

ソフトバンク・城所龍磨 オールマイティー・プレーヤーへの脱皮

　交流戦MVPを獲得し、「何よりもビックリしています。出来過ぎなくらい」と驚きを隠せなかったソフトバンク・城所龍磨だが、リーグ戦の再開カード、6月24〜26日の楽天戦[koboスタ宮城]でも存在感を発揮した。3戦とも二番・右翼で出場し、14打数2安打と打撃面での数字は残っていないが、25日の試合では初回一死から左前打で出塁。三番・柳田悠岐の初球にすかさずスタートを切り、二塁を陥れた。その後、柳田の左前適時打で先制のホームイン。試合開始からわずか8球の先制劇だった。

　持ち味である走塁と守備。ここがブレないから試合に欠かせないピースになれる。18試合中13試合に先発出場した交流戦では、12球団NO.1の打率.415、プロ初の満塁弾を含む5本塁打と打撃面での活躍が目立ったが、本人の評価は「守備や走塁でしっかり貢献できたと思います」。

　昨年はキャンプ中の骨折と一軍復帰した試合での左肩脱臼で出場は1試合にとどまったが、本来は「キドコロ待機中」のキャッチフレーズが定着するほどの試合終盤の代走と守備固めのスペシャリストだ。好調な打撃を得て、三拍子そろったオールマイティー・プレーヤーとして、試合を動かしている。

楽天・オコエ瑠偉 話題＜戦力へ、ただ今貢献中

　球団初の高卒野手開幕一軍入りを果たしたが、その起用法は代走や代打。期待するファンへの顔見せが主だった。だが、故障者続出のチーム事情もあり、打撃面で目立った成績を残せないまま二軍降格となった。

　再昇格したのは5月29日だった・・・