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元ロッテ・山本徹矢 現在はTV番組制作会社で奮闘中!

元ロッテ・山本徹矢 現在はTV番組制作会社で奮闘中!

 

現役引退を決めたとき、山本の頭の中に就きたい仕事は何もなかった。夢は「起業」。そのためには何が必要かをまず考え、導き出した結果は一番厳しい職場で下働きをして、基本を体に染み込ませることだった。そして選んだ道が、労働的にきついと言われるテレビ制作会社でのアシスタントディレクター。実際入社してみると、思っていた以上に何もできない自分に気づかされることとなる。
取材・文=椎屋博幸、写真=BBM

武田一浩氏の言葉をきっかけに



高卒からプロ野球に身を投じてしまうと、そのステータスをなかなか捨てられない。それがセカンドキャリアの難しさでもある。これまで取材後、1年以内に転職したりする元プロ野球選手が多いのも事実だ。やはりどこかに「プロ野球選手のプライド」が邪魔しているようだ。

 編集ルームで、先輩ディレクターと作業していた山本徹矢は、先輩からの質問でわれに返った。「お前何でここにきたの?テレビ好きじゃないのか。好きじゃないとできないぞ」などと厳しい言葉をもらったのだ。

「それまでは僕の中に“元選手”やし、という意識がどこかであったんだと思います。ここからいろいろと真剣に勉強を始めました」

 パソコン操作もできない。USBの存在さえも知らない。野球しかやってこなかった山本は、テレビ制作会社に入ってもいつもお客さんのような存在。「お前に回しても遅くなるから」と言われ、自分も「そうですか?」と返し悔しくもなかった。とにかく雑用だけを任される日々が半年続いた。そして、番組の総集編の作業を任されていたある日、先輩からやる気を問われたのだ。何もできない自分を腹立たしく思うようになった。

「僕が見ていた仕事は、野球でたとえると、全体練習しか見てなかったんです。その前後の個人練習に成功のカギがありますよね。そう考えたとき、仕事をするために何をしなければいけないかが分かりました」

 その後は、毎朝一番乗りで出社し、器具の操作法やパソコンなど苦手なものを克服する努力を始める・・・

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