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ペナントを熱くする男

ロッテ・角中勝也インタビュー「チームは誰ひとりとしてあきらめていません」

 

自在なバットコントロールで、開幕から高打率を維持し続けている。だが、その打撃術の実態と世間からのイメージの間にはギャップがあるようだ。リーグ屈指の安打製造機が語る打撃の真髄、そしてチームへの思いとは――。
取材・構成=杉浦多夢、写真=高塩隆、内田孝治、桜井ひとし、松田杏子


“タイミング”がすべて


8月のある瞬間、パ・リーグの打撃成績に異変が起きた。ランキングから3割打者が消えたのだ。ただ一人、角中勝也を除いて──。1950年の2リーグ制以降、パ・リーグの歴史の中で3割打者が1人だけだったことはない。常に複数の打者が3割のカベをクリアしてきた。怪物級の投手が猛威を振るう2016年のパ・リーグにおいて、投手成績とは反比例して打撃成績が低迷するのは必然。しかし、相手が誰であろうと関係ないと言わんばかりに開幕からヒットを打ちまくり、2位以下に大差をつけて2012年以来の首位打者へまい進している。


──現在、首位打者レースのトップに立つなど打撃好調です。一方で7月は月間打率.280とわずかに数字を落としました。ここまでの打撃の感覚はいかがでしょうか。

角中 前半戦はそれなりにいい感覚がありましたし、今もそこまで悪くはないですね。ただ下半身とかが疲れているのかなという感じもあります。毎年、けっこう夏場には成績を落としてしまうので。

──今季は打席でのアプローチに変化はあったのでしょうか。

角中 変えるといえば毎日何かしら変えているので。フォームとか感覚はそのときの状態で日々、変わっていくので“これ”というのはないですね。まずはバッティング練習をしてみて、その日の感覚によって「じゃあ、今日はこうしようか」みたいな感じです。

──ストライクゾーンの“外”であっても3割前後の打率を残しているというデータがあります。自分の中で今季はヒッティングゾーンが広がっているという感覚はありますか。

角中 いや、それはあまりないですね。個人的にはタイミングさえ取れていれば、多少のボール球でもあまり関係ないというか。タイミングが取れていないど真ん中より、タイミングが取れているボール球のほうが全然打ちやすい。

好調の要因はタイミングという“感覚”の問題。その“タイミング”こそが角中の打撃におけるすべてだと言っても過言ではない


──低めのボールゾーンへ外れるフォークボールをすくい上げるようにヒットにしたとき、「ストライクゾーンに来るよりも、ボールゾーンに外れていく変化球のほうが打ちやすい」と言っていたのが印象的です。

角中 そうですね。タイミングさえしっかり取れていれば関係ないかなという感じはしますね。タイミングが第一です。

──タイミングの取り方というのは。

角中 タイミングの取り方さえも、毎日変えています・・・

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