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元巨人・河原純一 愛媛の野球少年たちのために!

元巨人・河原純一 愛媛の野球少年たちのために!

 

02年には巨人で日本一の胴上げ投手を経験した右腕が昨年、静かにユニフォームを脱いだ。14年のNPB生活を経て、四国を引退の地に選んだ河原純一は今、愛媛でスーツに身を固め新しい人生をスタートさせている
取材・文=高田博史、写真= BBM

戦力外から愛媛入団へ



 今から4年前の2012年2月22日、シーズン開幕を1カ月後に控えていた独立リーグ、四国アイランドリーグplusにセンセーショナルなニュースが駆けめぐった。河原純一(元巨人ほか)の愛媛入団である。

 それまでにもメジャー退団後の伊良部秀輝(元ヤンキースほか、故人)が高知に入団するなど(09年)“ビッグネーム”の四国リーグ入りは何度かあった。だが、中日を戦力外になったとはいえ、ほんの3カ月前まで日本シリーズのマウンドに登っていた投手である。巨人時代にケガを克服して日本シリーズの胴上げ投手となるなど(02年)一時代を築き、西武、中日と球界を渡り歩いた。その河原が愛媛のユニフォームを着ることの驚きは、計り知れなかった。

 調整の遅れから、初登板は前期リーグ戦も終盤となった6月末だった。以降、クローザーとして10試合に登板し、0勝1敗4セーブの成績で1年目を終える。

 この年、独立リーグという環境でプレーすることの難しさを痛感する。想定外だったのは、移動の過酷さだった。ビジターゲームともなれば、四国内と言えども片道200キロ以上の道のりをバスで2、3時間かけて移動する。固まった体を短い時間でほぐし、実戦に備えることは、当時39歳の体にとって想像以上に酷なことだった。

 その後、先発に回った13年以降、ビジターゲームでの登板は目に見えて少なくなっていく。

 4シーズン目となった15年、開幕から1週間後の4月9日に選手登録を抹消、練習生となる。開幕前に肩を痛めていた。この年、愛媛は後期リーグ戦優勝を経て、初のリーグ総合優勝、独立リーグ日本一と一気に頂点まで駆け上って行く。

 後期リーグ戦優勝へのカウントダウンが始まっていた15年9月、肩はやはり痛いままだったが「チームの役には立てていないけれど、僕自身としては何か今後の役に立つと思っているので、物足りない時間とか、そういうふうに感じてはいないです」と語っている。

 選手として結果を出すこと以外の、新たなテーマが見つかりかけていた・・・

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