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「東北、仙台を盛り上げたい」 岸孝之の楽天入りが決定

 

立花社長[写真左]、星野副会長[同右]も、通算103勝右腕に大きな期待を寄せている


 11月11日の初交渉から1週間、西武岸孝之のFAによる楽天入りが決まった。18日、Koboパーク宮城で立花陽三球団社長、星野仙一副会長とともに入団会見に臨んだ岸は、「この日を迎えられてホッとしています。(地元である)東北、仙台を盛り上げたい」と意気込みを語った。

 4年契約で来季年俸は2億2500万円。総額16億円と見られる大型契約となった。チームのエース・則本昂大の今季年俸が1億5000万円だったことを考えると、破格の待遇と言えそうだ(金額はすべて推定)。そして背番号は西武時代と同じ「11」に決定。この番号を着けていた左腕・塩見貴洋を「17」に変えて用意したものだった。

 初交渉の時点で相思相愛は確実だった。初交渉から1週間ですんなり決着したとも言えそうだが、本人は「悩んで、悩んで決断した」と語る。仙台市出身で、名取北高、東北学院大と地元で野球を続けた生粋の東北人。2011年に起きた東日本大震災の際には家族や友人らが被災し、心を痛めた。「何かしたいけど、何もできずにここまで来た。僕ができることは何でもしたい」。地元への思いも、今回の決断を後押しした。

 また、星野副会長とは初交渉後に2度会い、それ以外でも毎日のように電話で熱心なラブコールも受けていた。背中を押した言葉は「迷ったら前へ進め」だった。「彼の力なら15勝はいとも簡単にやってしまうと思う。則本と両輪でやってほしい」。星野副会長は具体的な数字を口にした。また、則本も「ずっと待っていた。この日が来てよかった」と笑顔。2人の右腕が切磋琢磨することで、チームの貯金アップにも期待できそうだ。

 この2日前には前ソフトバンク捕手、細川亨の入団も決まっていた。細川は球団を通じて「出身地の青森のためにも、東北に帰って心機一転、楽天イーグルスでも優勝ができるように頑張ります」とコメント。西武、ソフトバンクでリーグ優勝6度、正捕手・嶋基宏に大きな刺激を与える存在となりそうだ。岸が西武に入団した07年から、細川がソフトバンクへ移籍するまでの4シーズン、2人はバッテリーを組んでいる。08年にはともに活躍して日本一。若手の多い楽天が、パを熟知する“経験”という大きな補強に成功した。

構想外となりソフトバンクを出た細川。パの打者を知り尽くす頭脳は大きな戦力となりそうだ


写真=松田杏子、BBM
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