日本で独自の進化を遂げたと言われるアンダースロー。かつては杉浦忠(南海)、山田久志(阪急)など一世を風靡したアンダースローが数多くいたが、近年はまさに“絶滅危惧種“となっている。現役でも、その数少ない継承者が渡辺俊介と牧田和久だ。サブマリンとも呼ばれるこの投法で、打者を手玉に取る投球は実に流麗だ。日本球界の華の一つであるアンダースローに関して、この2人が語り合った。 取材・構成=小林光男、写真=川口洋邦、BBM 打撃投手はやらない
牧田 俊介さんと投げ合ったのは確か1回だけでしたよね?僕が1年目(2011年)の開幕前の練習試合で(4月7日、県営大宮)。
渡辺 そうだね。そのとき、カッコいいところを見せようという気持ちはあった。アンダースロー対決で周りはあおるし、試合後に絶対報道陣からそれに関して聞かれるから。
牧田 僕も一昨年、公式戦で初めてアンダースロー対決がありました。
ヤクルトの山中(
山中浩史)投手と先発で投げ合ったんですけど(6月12日、
西武プリンス)、彼のことはアマチュア時代から知っていたし、僕も先にプロに入ったというプライドがあって。「牧田さんはやっぱりすごいな」と思われる投球をしようと考えたら、ボコボコに打たれたんです。普通にやれば良かったんですけどね。
渡辺 嫌でも意識してしまうよね。でも、牧田君は1年目から何も困っていないように見えた。プロでやる上で足りないものがない。僕は結果が出るまで3年かかったけど。牧田君を指導した人に聞いても、「何でもすぐにできる」と言っていたし、最初から器用だなと思っていたね。
牧田 1年目のキャンプ中からブルペンや実戦で投げていても、もう1人の自分が上からそれを見ている感覚があったんです。それで・・・
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