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背番号特集・受け継がれる魂

新背番号で迎える“飛躍の時”

 

選手の名刺たる背番号の変更は、大きな意味を持つ。出世、再生、巻き返し……。共通するのは心機一転、飛躍したいという思いだろう。ここでは、その数字を変更した9人の背中に注目してみた。

ソフトバンク・明石健志(36→8) 川島慶三(35→4) ともに強い思いを抱いて



 選手のユーティリティー性を重視する工藤ホークスにあって、その筆頭でありスーパーサブとして欠かせない存在である2人。川島慶三明石健志の背中には今季より、1ケタの番号が光っている。

 背番号変更の発表はオフの契約更改時。川島は「ネコ(金子圭輔、昨年限りで引退、現球団広報)に『4番を着けてほしい』と継承をお願いされた」と、変更のきっかけを明かした。これに対して、「球団から話をいただきました。ならば、着けてみようかなという感じで(笑)」と明石。1ケタ番号についても、「やはり野球選手としてはモチベーションになる」(川島)、「特に何かを気にするわけではありませんけど」(明石)と、思うところはそれぞれだ。

 そんな2人だが、変更を決断した最たる思いは共通している。それは『ケガからの心機一転』だ。昨季、川島は4月3日の日本ハム戦[東京ドーム]の守備中に走者と交錯。右足の打撲とじん帯損傷の大ケガを負い、約4カ月戦列を離れた。明石も春季キャンプに痛めた右肩の影響で開幕直後に離脱すると、こちらも復帰まで約4カ月を要した。「チームの力になれなかった」。チームがV3を逃したこともあり、2人が感じた悔しさはひとしおだった。

 覇権奪回を目指す今季。1試合でも多く出場し、チームの勝利のために尽力する。それには、まずは「絶対にケガをしないように」。1年間戦い抜く体づくりにも精を出す。ケガした自分、そのときの苦しさや悔しさを忘れず、気持ちを新たに、グラウンドで躍動する。

■ホークス「4」の系譜
草創期からほとんど稼働していなかった番号。久々に着けたのは1962年のハドリで、外国人選手初の100本塁打を達成。70年から4シーズン着けたジョーンズは通算132本塁打をマークした。1988年からは堅守に定評のあった森脇浩司(現中日内野守備走塁コーチ)が引き継いだ。21世紀以降はバークハート、ネルソン、アダム、アギーラと外国人選手が背負うことが多くなったが、いずれも1年で帰国している。

■ホークス「8」の系譜
1949年から5シーズン着けた黒田一博は、昨季限りで引退した広島黒田博樹の父。59年の日本一に貢献した半田春夫は日系アメリカ人だった。攻守交代時の全力疾走が有名だった河埜敬幸は79年に打率3割超えに成功。その後を継いだ岸川勝也巨人移籍後に左腕キラーとして活躍。平成以降最長となる7シーズン背負った浜名千広は99年に選手会長に就任し、ダイエー初のリーグ優勝、日本一に貢献している。


ロッテ・中村奨吾(23→8) 偉大なる先輩に追いつくために



 山内一弘有藤通世。偉大なる“ミスター・ロッテ”が背負ってきたチーム伝統の背番号「8」だが、今季からその番号を受け継ぐ若きショートストップにとっては「今江(今江年晶、現楽天)さん」だ。「ロッテと言えば今江さんだったし、ロッテの顔だった」。一緒にプレーしたのはルーキーイヤーの1年間だけ。それでも、今江の背中から多くの刺激を受けた。

「技術面はもちろん、モチベーションの上げ方とか普段の立ち居振る舞いも・・・

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