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侍ジャパン“世界最強”への道

侍ジャパンの戦いを振り返る/2次ラウンド・キューバ戦

 

キューバとの接戦を勝ち抜いた後、外野の3選手[左から筒香嘉智秋山翔吾青木宣親]が恒例の勝利のポーズ。これでほぼ決勝ラウンド進出を決めた/写真=小山真司


侍ジャパン執念の逆転劇!!決勝ラウンド進出ほぼ決定


3月14日 日本○8対5●キューバ

 試合後のミックスゾーン、先発の菅野智之が唇を噛む。

「反省点ばかり。甘いところに入ったり、インサイドをうまく使えなかったりと駆け引きに負けました。悪いところを挙げたらキリがない」

 初回、三者凡退で最高のスタートを切ったかに見えたが、「気持ち悪い立ち上がりだったんです」と明かすのは、キューバ打線に1次ラウンド初戦で対戦した際(※菅野の登板はなし)の積極性を感じられなかったからだ。

「甘いボールも打つ気がないし、なんとなく不気味」と2回のマウンドに向かえば、一転してファーストストライクから強振してくる。五番・グラシアルに許した逆転2ランは、甘く入った高めのスライダーと、そもそもの失投だったが、「気持ちの整理がつかないままいってしまった」と手探りの精神状態が繊細な菅野の投球を狂わせた。4回二死満塁では、メサに初球のカーブを左前に運ばれさらに2点を献上。この間、チームは初回に山田哲人の先頭打者アーチで先制、3回には四番・筒香嘉智の適時打で追いついているが、援護をもらいながらも、ここまで苦しむ菅野は珍しい。

4回7安打4失点とピリッとしない投球を見せてしまった先発の菅野。それでもチームは逆転勝利


 2次ラウンドでは球数制限の上限が80球に引き上げられており、「最低でも5回。行けるところまで行ってほしい」と送り出した小久保裕紀監督にとっても、エースの4回74球4失点降板は大誤算だった。そんな窮状を救ったのが今大会4試合で30得点と好調の打線と、後を受けたリリーフ陣だ。5回、2番手でマウンドに上がった平野佳寿がわずか9球、三者凡退で嫌な流れを断ち切ったのが最大のポイントだろう。

 2対4で迎えた直後の攻撃では、「2点差の場合、まず1点を取ることに集中。1点取れば流れが変わる」(稲葉篤紀コーチ)とミーティングで話し合われた、そのままの場面が訪れる・・・

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