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第89回選抜高校野球大会

櫻井周斗(日大三高)の伝家の宝刀に対峙した安田尚憲(履正社高)のフルスイング

 

5対5の9回表、履正社高は適時打で勝ち越すと、なおも、二死二塁から打席は三番・安田。この回、一度降板していた日大三高の左腕・櫻井が再びマウンドに上がるも、初球のストレートを痛打。この左越え二塁打が決定打となり、計7点のビッグイニングで12対5と快勝している/写真=牛島寿人


1回戦屈指の好カード。NPBスカウトが熱視線


 日大三高の左腕・櫻井周斗(3年)が一躍、全国区となったのは昨秋の東京大会決勝である。高校通算79本塁打(センバツ開幕時点)の早実・清宮幸太郎から5打席連続三振を奪った。全公式戦を通じても11.69の奪三振率。清宮は最速144キロの真っすぐと同じ腕の振りのスライダーに、手も足も出なかった。今大会初戦は「西の怪物」と言われる、安田尚憲(3年)を擁する履正社高との顔合わせ。開幕日(3月19日)、甲子園を埋めた4万5000人の大観衆が、1回戦屈指の好カードに注目した。

 つまり、清宮が大苦戦した櫻井の伝家の宝刀を、安田が攻略できるか。試合前、櫻井は昨秋の「対清宮」について振り返った。

「清宮は不調だった。抑えたことよりも最後、打たれた(9回表に2点勝ち越しも、その裏にサヨナラ負け)ことのほうが……。安田個人でなくて、履正社打線と勝負することを意識しています」

 そして、こう続けた。

「自分の持ち味は腕が振れること。自信のあるスライダーで攻めて、攻めて、攻め切りたい。スライダーは生命線ですが、頼り切りにならないよう、冬場は真っすぐを磨いてきた」

 一方、安田も自信ありげに語っていた。

「胸が投手に見えないようにする。体が開いては打てないですから。ボール球を振れば、相手バッテリーの思うツボ。低めを見切っていきたい」

 櫻井は立ち上がりから飛ばした。初回、安田からスライダーで空振り三振を奪うと、第2打席もスライダーで空振り三振、そして、第3打席もスライダーを見逃し三振と圧倒。対清宮のVTRを再生したように、安田はタイミングがまったく合わなかった。

「ストレートだと思って振ったら、曲がっている。今まで見たことがないスライダーだった」(安田)

 試合は5対5で9回表の履正社高の攻撃。適時打で勝ち越すと、なおも、二死二塁から打席には三番・安田を迎えた。この回、一度降板していた左腕・櫻井が再びマウンドに上がるも・・・

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