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2017WBC総決算

2017WBC決勝 母国の本気と底力

 

優勝が決まった瞬間、マウンドへ駆け寄ったアメリカナイン。初のWBCトロフィーを母国へもたらした。※日付は現地時間


ストローマンの快投でアメリカが初優勝を果たす


決勝 3月22日 プエルトリコ●0対8○アメリカ

 アメリカ代表の73歳のリーランド監督は、試合前にトランプ大統領の決めゼリフ「アメリカをもう一度、グレートにしよう」と余裕のジョークを用いて報道陣を笑わせ決戦に臨んだが、そんな指揮官の期待にグレートなピッチングで応えたのが、先発のストローマンだった。プエルトリコ代表としての出場権も保持していたため、相手国応援団から大ブーイングの中でマウンドに向かったが、すぐにこれを黙らせる。

 2次ラウンドの同カードでも先発した際には制球が甘く、1回に4失点して敗戦投手となっていだが、「大きな試合になるほど力が出る」と語る背番号6の右腕は「今日は特にコントロールとシンカーが良かった」とこれを修正。丁寧に低めを突くピッチングで、初回を2つのセカンドゴロとピッチャーゴロで幸先よくスタートすると、2回は先頭を四球で歩かせたものの、五番・モリーナを鋭く曲がり落ちるシンカーでショートゴロ併殺に。ここからこのシンカー(あまりの鋭さにツーシームと表記するメディアも)を軸に6回終了まで1人の走者も許さぬノーヒットピッチングを披露した。7回に先頭のA.パガンにレフト線に二塁打されたところでお役御免となったが、73球(球数制限は95球)を投じ、11個のゴロアウトでリズムをもたらしたことは言うまでもない。

 このうち、5つのゴロをさばき、ストローマン降板直前の7回に2点適時打で援護もしているショートのクロフォードは「ストローマンはグレート。シンカーとオフスピードの球、投球フォームをいろいろと変えながら、タイミングを取らせなかった。後ろで守るのは本当に楽しかった。シンカーのときには特にね。多くのゴロアウトを取ってくれた。それに尽きる」と決勝での勝因をズバリ明かしている。ストローマンの大会MVP受賞は当然だったろう。

先発のストローマンは6回までノーヒットに抑える快投で母国を優勝へ導き、大会MVPを獲得


 守りでリズムをつかむと、3回に一番・キンズラーが左中間に飛び込む2点本塁打で打線に火をつける。5回には再びキンズラーがレフト前打で出塁。ここから三番・イエリッチ(日系三世で日本代表出場権も保有)、五番・ホスマーに適時打が飛び出し、5回までに4得点で試合の趨勢を決定付けた。

アメリカ打線は3回のキンズラーの先制2ランを口火に、着実に得点を重ねていった


「これは母国に尽くした人間の勝利だ」とリーランド監督。今回も多くのビッグネームが出場を辞退したが、それでも分厚い選手層で悲願の初優勝を果たした。

監督&選手コメント集



リーランド監督
 まず最初にすべてのチームを祝福したい。本当に素晴らしい大会でした。もちろんわれわれにとって、素晴らしい瞬間でもありました。ワールド・シリーズでの優勝とはまた違ったもので比べることはできない。ただ選手と話をする中で、「これまでに味わった最高の・・・

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