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侍ジャパン2017WBC総決算

大島康徳コラムWBC特別版 アメリカ戦で感じたのは「緻密さの差」

 


課題を洗い出し次回につなげてほしい


 今週は、連載の特別版でWBC用のプラス1をお届けします。連載では、素晴らしい戦いを見せてくれた日本の選手たちに感謝の言葉を贈りましたが、ここでは解説者としてシビアな見方でいきます。

 ゲーム的には、2次ラウンドまでスリリングな戦いを全勝で勝ち上がり、準決勝では、スーパースター軍団で、結果的に世界一にも輝いたアメリカ相手に1対2の僅差での敗退。確かに、よく頑張りました。

 ただ、日本にとってWBCは、もはや、よく頑張ったでは、4強ではダメな存在、場所になっています。「勝負は紙一重だから」「環境が違うから仕方ない」だけで片づけてしまったら次にもつながりません。

 特にアメリカ戦で感じたのが“緻密さ”の差です。加えて言えば、これは1試合だけで指摘しているわけではなく、それ以前の勝利した試合の中でも何度か感じたことでもありました。

 野球は、勝利がいろいろなことを隠してしまいます。選手や首脳陣を責めるつもりはまったくありませんが、大会が終わり、これから東京オリンピック、さらに第5回WBCと国際大会が続いていき、そこで「世界一奪還」を目指していく以上、あらゆる課題を洗い出す必要があるでしょう。

 今回はスペースの都合もあるので細かくチェックしていくことはできませんが、要は日本が掲げ、強みのように言われてきた“スモールベースボール”が徹底できていたか、です。つまり、勝利のためにやるべきことをすべて準備し、試合の中でできていたか、ということです。僕は、特にアメリカ戦では、相手のほうがそれを徹底してできていたと思います。

 失点につながった2つの失策にしても、仕方のない部分もありますが、雨で濡れた芝という条件は両者同じです。言い訳にできません。

 スモールベースボールというと、コツコツとバントを多用する野球のように思われがちですが・・・

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