京セラドームがどよめきに包まれた。4月8日の
オリックス戦、4回一死一塁。
大谷翔平に代打・
横尾俊建が送られた。苦悶の表情が異変を物語っていた。初回、三ゴロを放った際、一塁への走塁中に左太もも裏に激痛が走った。普段なら顔に出さない男が足を引きずりながらベンチ裏に静かに消えた。試合後の検査で「左大腿二頭筋肉離れ」と診断され、全治は6週間──。無念の戦線離脱が決まった。
野球人・大谷の本能が理性を上回ってしまったように見えた。WBCを欠場する要因となった右足首の痛みはまだ残っていた。
栗山英樹監督からは全力疾走と右足でベースを踏むことを禁じられスタートしたシーズンだった。大谷も「なるべく左足でいけるように、どこまで意識できるか」と、頭では理解していた。
しかし、ボテボテの三ゴロに本能で加速し負傷。故障は右足首ではなかったが、そこをかばい続けてきた歪ひずみがついに逆足の異常となって表れてしまったとも言える。セーフになることをあきらめてしまえば最初からスピードをゆるめてよかった。
しかし、どんなときも手を抜かず野球と向き合ってきた大谷だからこそ・・・
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