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序盤戦の“不思議”を解き明かす!

小早川毅彦(野球解説者)が序盤戦の“不思議”を解き明かす! セ・リーグ編

 

早々と抜け出すかに思えた広島の勢いが翳り、混戦模様となっているセ・リーグ。どのチームも決め手を欠いているのはなぜか。
※記録は4月29日時点、写真=BBM

紙一重のゲームをモノにする勝負強さはあるものの、盤石とは言えない広島。投手陣の安定が連覇のカギとなっていきそうだ


Q.広島はなんで一気に抜け出せなかったの?


A. 今年のカープには昨年ほどの強さは感じません

 盤石とは言えないからです。今年のカープの戦いからは昨年ほどの強さを感じません。ギリギリの崖っぷちの戦いの中で、押されながらも相手のミスによる自滅で踏み留まっている印象です。相手が昨年のカープの残像で、何かしてくるんじゃないかと警戒し、自ら勝利を手放していると思います。ちょっとしたことで勝ち負けが逆になってしまいそうな危うい戦いをしています。もちろん、昨年の優勝でカープの選手の中に、負けていても、あきらめなければ何かが起こると思っていることもプラスになっていると思います。

 先発では黒田博樹が引退し、ジョンソンが離脱となっている中、新人の加藤拓也、床田寛樹が抜てきされましたが、まだ1勝で、よかったり、悪かったりですよね。大瀬良大地も4月27日の巨人戦[マツダ広島]がようやく初勝利ですし、まだまだ不安のほうが多いと思います。

 リリーフでは、抑えの中崎翔太が離脱し、それを今村猛がカバーしている状態です。大きいのは中田廉薮田和樹の2人。よく頑張っていると思います。ジャクソンと、この2人が踏ん張って不安定な先発陣を支えています。

 打線は相変わらずよく打ってはいますが、バッティングには、どうしても波があります。投手陣が安定してこそなんですが、いまはまだ不安要素が多いということです。

Q.他チームの巻き返しはあるの?


A. 広島を含めどこも決め手を欠く。混戦模様が続くでしょう

 広島の強さも盤石ではありませんが、それはほかのチームも同じです。今年のセ・リーグは、どのチームにも決め手がありません。交流戦、さらにそれが終わってからも混戦が続くのではないでしょうか。

開幕直後は猛威を振るった阿部のバットがやや下降線をたどると、チームも決め手を欠くようになった


 FA新加入選手3人(山口俊陽岱鋼森福允彦)が戦力になっていない巨人は、開幕から好調を維持していた坂本勇人阿部慎之助のバットを原動力にやり繰りをしていましたが、いまは阿部の状態があまりよくない。長野久義も不振が続いています。投手陣では菅野智之が3試合連続完封とさすがの安定感を見せていますが・・・

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