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東京六大学リーグ戦

「早慶戦待ち」の立大が35季ぶり13度目の復活優勝

 

取材・文=岡本朋祐、写真=川口洋邦

全日程(早大-慶大3回戦)が終了した5月29日、就任4年目の立大・溝口監督はナインの手によって神宮の杜を舞った。自身が主将だった1990年秋以来の胴上げである


「あと1歩」を乗り越えた「一体感」


 1999年秋以来、35季ぶりの歓喜がやってきた。神宮記者席でそのシーンを見届けた就任4年目の立大・溝口智成監督は、表情を一切変えない。すぐさま前田一男部長から握手を求められても「あいさつが終わってからにしてください」と、配慮を忘れなかった。舞台は伝統の早慶戦。翌日には3回戦が控えており、手放しで喜ぶわけにはいかない事情がある。

「本気で早慶は戦っている。選手に『一喜一憂するな』と。きちっとした態度をするよう言いました」

 立大は5月22日に勝ち点4で全日程を終えていた。優勝の可能性を残していた慶大の条件は2連勝のみ。立大ナインは1回戦(27日)を、埼玉県新座市内の合宿所で待機した。慶大が先勝し、6季ぶり優勝に王手。「この1週間が一番つらかった」(溝口監督)。

 2回戦(28日)ですべてが決まる。立大を含めた4校は、閉会式準備のため神宮に来ていた。溝口監督は記者席で観戦。1点を追う早大が7回に逆転した場面を見届けると、ユニフォームに着替えに行き、13度目の優勝が決まった。

「18年という長い間、開かれなかった扉を開くことができ、うれしく、ホッとしています」(溝口監督)

野球部OBから懇願「生きている間にもう一度」


 立大は2014年秋、16年春と優勝に王手をかけながらV逸。昨秋も優勝争いを展開も「あと一歩」が届かない。昨年のドラフトでは主将・澤田圭佑(現オリックス)、田村伊知郎(現西武)の両右腕に、田中和基(現楽天)が指名を受けた。溝口監督は「1人の能力に頼らず、一体感を・・・

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