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新進気鋭インタビュー

中日・小笠原慎之介インタビュー さらに上を見据えて 「成長したいですね。1試合1試合……いえ、1球1球でも」

 

黄金期を支えたエース・川上憲伸から背番号11を継いだ。将来の大黒柱への期待。高卒2年目の若武者はすべての経験糧に、栄光の階段を一段ずつ踏みしめて昇っていく。
取材・構成=吉見淳司、写真=栗山尚久、BBM ※記録は6月18日時点


“ゼロ”からのスタート


高卒1年目の昨季後半に先発ローテ入りし2勝をマーク。2016年の高卒新人では唯一の勝利投手となった。2年目の飛躍が期待されたが、昨年11月に左ヒジ遊離軟骨除去手術を受けた。開幕には間に合わなくなるが、それでも万全の状態を整えることを選んだ。

──オフの左ヒジクリーニング手術から復帰し、ここまで6試合に先発しました。率直な手応えはいかがでしょうか。

小笠原 手術したことで、“ゼロに戻った”という感じはします。昨季に投げた感覚とは全然違う。左ヒジがきれいになった分、ボールのかかりも違いますね。

──左ヒジがきれいになったこと自体はプラスなのでは。

小笠原 プラスにとらえないといけないですけど、どうしてもおかしいな、というところはあります。真っすぐがマッスラ気味になってしまったり……そういうことはこれまでなかったですから。でも、いろいろな人に話を聞いたんですけど、「感覚は変わってしまうものだよ」と言われましたね。

──6月16日の西武戦[ナゴヤドーム]では復帰後最多の129球を投げましたが、肩やヒジに影響は。

小笠原 全然ないですね。

──現在は100球が交代のメド。

小笠原 だと……思います。特に言われているわけではないですけど、大事にしてもらっているなとは感じます。

──小笠原選手自身はもうちょっと行けるという思いも。

小笠原 行けるんですけど、ケガ明けですし、そうなるのは仕方ないと思いますね。

6月16日の西武戦[ナゴヤドーム]では球界を代表する先発左腕である菊池雄星と投げ合い、8回5失点で敗戦投手に。しかし10三振を奪うなど意地を見せ、森監督は「すがすがしい試合だった」と投げっぷりをたたえた


──手術後、最も感覚が変わった部分は。

小笠原 自分の中では普通に投げられているつもりなんですけど、周りで見ていた人に「全然違うね」と言われることがあるんですよね。スローで映像を見ると、やっぱりリリースする位置が以前とは違う。それはマッスラするよね、と。自分では去年と同じようにしているつもりなんですけど、多分、気持ちで抑えてしまっているんじゃないかと。

──まだ恐怖心が……。

小笠原 怖さはあるんじゃないですかね。僕としてはもうないと考えているんですけど。

──昨年11月に手術をし、今年2月のキャンプでブルペン入り。3月には実戦で147キロをマークしました。回復は順調のように見えたのですが。

小笠原 ボールを投げるまでは順調だったんですけど、投げ始めてから・・・

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