出場しなくとも札幌ドームの雰囲気を支配した。背番号11がネクストバッターズサークルに歩みを進めると、球場は驚きと喜びが交じった大歓声に包まれた。6月24日、楽天戦の延長10回二死一、二塁。同じく代打の矢野謙次が倒れて出番は回って来なかった。ファンの大きなため息はサヨナラの好機を逃したからなのか、それとも大谷翔平の打席が見られなかったからなのか……もはやどちらか分からなかった。

　長いリハビリを終えてようやく一軍に戻ってきた。4月8日のオリックス戦[京セラドーム]での左太もも裏肉離れから76日ぶりに一軍登録された。しかし、まだ「走」に関しては万全でない。出場には制限がかかり、連日ベンチスタートが続いた。栗山英樹監督は・・・