地元での優勝こそ叶わなかったが、リーグ史上最速Vを遂げたソフトバンク。埼玉の地で歓喜の輪が広がった9月16日の裏側を、勝手にドタバタに巻き込まれた担当記者の視点で振り返る。
文=杉浦多夢、写真=BBM

9時57分 西所沢駅での乗換　鷹ファンの強い熱を感じる

　どれだけ盛り上がるだろうか……。そんな一抹の不安を抱きながらXデーを迎えたのは確かだ。

　福岡で歓喜を分かち合うチャンスを逃して迎えた9月16日。マジック1でメットライフドームに乗り込んだ西武戦。マジック対象は楽天から西武へ移り、優勝を決める直接対決という構図にはなっていたが、果たして埼玉の地で鷹ファンはどう立ち振る舞うのか──と、思いを巡らせているうちに西武池袋線の西所沢駅に着く。ここで西武狭山線に乗り換え西武球場前駅を目指すわけだが、電車から降りて驚く。乗り換え客のかなりの割合がソフトバンクのユニフォームを着ているのだ。

　球場に着くと耳に飛び込んできたのはチケット完売のアナウンス。さらに開門前から並んでいるファンは一塁側(ビジター側)のほうが多い。結局、スタンドを埋めた鷹ファンは全体の3分の1〜4分の1強といったところだったのだが・・・