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CS激闘の舞台裏 パ・リーグ編

CSファイナルさえも日本シリーズへの布石。ソフトバンク、日本一を見据えたギャンブル

 

楽天相手に連敗スタートを喫しながら、鮮やかな3連勝で王者の底力を見せつけた。窮余の策だった打順の組み替えが功を奏し、最後は電撃復帰したキーマンが火をつけた。ソフトバンクが打って出た、日本一を見据えたギャンブル。そのポイントをひも解く。
取材・文=杉浦多夢、写真=湯浅芳昭、前島進 ※原稿は10月22日現在


流れが反転した第3戦 ソフトバンクの打順の組み替えと楽天の捕手起用


 第1、2戦を終え、計12安打で得点はソロ本塁打3本による3点のみ。四番・内川聖一は4安打、今宮健太も3安打を放っていたが、つながりの悪さは明らかだった。象徴的なのが第2戦の6回と8回の攻撃だ。

 1対1の6回、先頭の今宮がレフト線へ二塁打を放つも、続く中村晃は送りバントを失敗。内川と松田宣浩が三振に倒れて無得点で終わる。中村晃が「僕のせいで負けた」と責任を背負い込むプレーだった。8回は逆のパターンだ。先頭の今宮が力なく三振に倒れると、中村晃は中前打、内川は右飛、デスパイネは中前打、松田は遊ゴロ……。ひとつのミスがなければ、安打が出るタイミングが違えば。そう思わせるチグハグな攻撃だった。

 翌日の第3戦、ソフトバンクは大きく動いてきた。今宮を一番に起用し、二番には城所龍磨を抜てき。デスパイネを三番に上げ、五番には長谷川勇也、中村晃は七番に下げた。

 藤本博史打撃コーチはこう話す。

「誰かが起爆剤にならないと・・・

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