兵庫・小野高、慶大で活躍し、東京六大学リーグ戦では早大・和田毅(ソフトバンク)と真剣勝負を演じたフジテレビアナウンサー・田中大貴氏は、1980年生まれの「松坂世代」の1人。そんな野球人・田中が、同年代の選手たちをプロ野球現場の最前線で取材。テレビで報じられなかった至極のエピソードを、コラムにして綴る。 松坂世代に加わりたい
いまから20年前の8月、気が付けば自転車を漕ぎ、吹き出す汗などお構いなしに高校のウエート・トレーニング場を目指していました。
兵庫の片田舎の公立高校で甲子園を夢見ましたが、叶わず。ようやく気持ちを切り替え、受験勉強に身を入れ始めた矢先の出来事です。
けれど、あの延長17回の、翌日の試合に受けた衝撃は……。
はじめはラジオを聞きながら、日本史の単語帳をめくっていました。しかし、ゲームが進むにつれ、込み上げてくる気持ちに我慢ができなくなります。テレビをつけ、サヨナラの瞬間、つまり、あの詰まった打球がセンター前に落ちた瞬間、単語帳を放り投げました。高校へと向かい、興奮する感情をただひたすらにトレーニングにぶつけながら思ったものです。
「松坂世代に加わりたい。彼らと勝負がしたい」
この感情は今でも忘れることはありません・・・
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